今週の予測

今週は、戻りのあとは、上値重くもみ合いへ

 今週の日経平均株価は、週始めは前週末の米国株式の上昇や国内の新元号の発表もあり、上昇スタート。しかし、いったん戻りを試した後は世界経済の先行き不透明感が漂う中で、上値が警戒されてくることになります。そして、日米ともに経済指標が発表され、その内容に株価が左右されることになります。

 先週は米中通商協議の進展から合意への期待が高まっていますが、すでにこれを織り込みながら米国株価は上昇しており、合意すれば材料出尽くしの可能性もあります。

 英国のEU(欧州連合)離脱問題もいまだ混迷、今週末は米国の雇用統計も控えており、動きにくく日経平均株価はもみ合いとなりそうです。

 1日の前場は想定以上の大幅続伸したものの、後場には上昇幅を縮小する動きとなりました。前週末の米国株高、円安歩調、時間外での米株価先物指数や上海株式の上昇、さらに新元号発表の祝賀ムードも加わって、前引けは+473円の2万1,279円でした。後場になると、利益確定売りに伸び悩み、大引けにかけて2万1,500円近辺でこう着状態となって、+303円の2万1,509円で引けました。

 (今週の指標)日経平均株価

 今週は引き続き、世界的な景気の不透明感が強まる中で、上値の重さが意識され、テクニカル的にも厳しい展開となってきています。チャートで見ても2万1,000~2万2,000円のレンジの中で、2万1,000~2万1,500円の下限での値動き。

 先週は3月11日の2万938円を下回る2万911円まで下げての反発となり、底打ちの形とはなっていません。5日移動平均線、25日移動平均線は下降に転じ、75日移動平均線の日足の下値をサポートできるかどうかのところにきており、短中期的な下降トレンド入りが懸念されます。そのため、経済指標や米中通商協議など強弱感が対立する中で、もみ合う展開となりそうです。足元の景気減速が鮮明になれば2万1,000円を割り込む場面もありそうです。

(今週の指標)NYダウ平均株価

 今週は、週末の雇用統計をはじめ多くの経済指標が発表されることで強弱感が入り交じった動きが想定されます、好材料が出てもチャートを見ると2万6,200ドル水準は強力な上値抵抗ゾーンとなります。一方で英国のEU離脱案が3度目の否決となり、合意なき離脱となれば、欧州株式市場は下落し、世界的に影響が出ることが懸念されるため、当面は英国議会の動向に注目となります。

 (今週の指標)ドル/円

 今週は、ドルは安全資産としての需要拡大から底堅い動きが予想されます。たとえ米国の経済指標が予想を下回っても、英国のEU離脱問題や欧州経済の悪化懸念から安全資産としてのドル買いが継続するとの見方が多いためです。

 この影響でドルは対円に対しても下げづらい展開となりそうです。ただしFOMC(米連邦公開市場委員会)の利上げ停止もあり、ドルが買われるのは限定的となります。1ドル=110~111.50円のレンジを想定。

(先週の結果)

先週は週初2万1,000円切るも、その後は2万1,000~2万1,500円の中のもみ合い

 週始めの25日(月)に2万911円まで下げ、26日(火)の最終売買日には、2万1,460円まで反発。週の終値では2万1,205円と荒い上下動の動きとなりました。

25日(月):前週末の米国株式の急落を受け、シカゴ日経先物が▲355円の2万985円と2万1,000円を割っていることもあり、▲359円の2万1,267円で寄り付いた後は下げ幅を拡大し、一時▲716円の2万911円まで下げて終値は▲650円の2万977円で引けました。

26日(火):今年最大の下げ幅から自律反発の動きとなり、これに3月期末配当の権利付最終売買が加わって配当取りの買いが入り、一時+483円の2万1,460円まで上昇。終値は+451円の2万1,428円と大幅反発となりました。 

27日(水):3月期末の配当落ち分(約170円)の影響で▲74円の2万1,353円で寄り付き、一時▲185円の2万1,242円まで下げましたが、その後、時間外での米株価先物の上昇や日銀のETF(上場投資信託)買い期待を支えに大引けにかけて下げ渋り、▲49円の2万1,378円と反落しました。 

28日(木):実質新年度入りとなるものの、前日に配当落ち分を埋めなかったことや、時間外での米株価先物の下落、上海株式の反落を受け▲187円の2万1,191円で寄り付き。その後、下げ幅を拡大し、一時▲404円の2万974円まで下げました。しかし、後場になると下げ幅を縮小して▲187円の2万1,191円まで戻すものの、買いの勢いが続かず、戻り待ちの売りに押されて▲344円の2万1,033円と大幅続落となりました。

29日(金):前日の米国市場で米中通商協議の進展期待から株式が主要3指標そろって反発したことで、+194円の2万1,228円で寄り付き、2万1,267円まで上昇。その後は伸び悩むものの+172円の2万1,205円と3日ぶりの反発で引けました。米国市場では、28~29日の2日間の対中貿易協議の結果、米中ともに「進展があった」というコメントが発表され、合意への期待が広がってNYダウは+211ドルの2万5,928ドルと3指標そろって上昇。長期金利の逆転が6日ぶりに解消されたこともサポートとなりました。シカゴの日経先物は+70円の2万1,260円となりました。