18年本決算は大幅増益、赤字の天然ガス輸入業務に一段の改善期待
現地コード | 銘柄名 |
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00857 |
中国石油天然気 (ペトロチャイナ) |
株価 | 情報種類 |
5.39HKD |
株価 企業情報 チャート |
ペトロチャイナの18年12月通期の純利益は前年の2.3倍に当たる526億元を記録し、同社が事前に発表した利益見通し(508億-528億元)のほぼ上限に達した。BOCIは固定資産減損および在庫損が予想を50%上回る総額347億元(税引き前ベース)だったとし、こうした特別損失を除くコア利益はさらに力強い伸びを示したと指摘。この先、追加の減損処理を迫られる可能性はないとの想定の下、19-20年の利益見通しを10-20%増額修正した。また、中国国内での旺盛な天然ガス需要やガス価格に関する一段の規制緩和が追い風になるとみて、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
18年通期決算を事業部門別に見ると、成長のけん引役となったのは石油探査・生産部門。原油実勢価格の前年比35%高を追い風に、部門営業利益は前年の4.8倍を記録した。また、天然ガスおよびパイプライン部門も、国内ガス販売の20%増を背景に63%の営業増益を達成している。経営陣は通常の配当性向45%に上乗せする形で、期末の特別配当(1株当たり0.02729元)を実施する方針。これにより、通期の配当性向は62.2%となり、株主への利益還元を重視する姿勢を示した。
一方、同社は天然ガス輸入業務の損失を食い止めるため、価格設定や調達面の差別化戦略を採用してきたが、これがすでに機能し始めている。18年には天然ガス輸入量が前年比約30%増えたにもかかわらず、同業務の純損失はわずか4%増の249億元。ガス・バリューチェーン(LNGターミナルや都市ガスプロジェクトなど)から派生したその他事業利益が、天然ガス輸入損失の上乗せ分を十二分に補う水準に達した。また、来たる需要閑散期において、同社が都市ガス・ゲート価格を引き上げるとの情報も伝わっている。仮にこれが事実であれば、輸入ガス業務の赤字縮小に向け、さらに前進することになる(ゲート価格とは長距離ガス輸送ラインの出口価格を指す)。
経営陣が設定した19年の生産目標は、原油が前年比1.8%増、天然ガスが5.6%増、石油精製量が4.2%増。一方、BOCIが新たに設定した19年の予想純利益は前年比44%増。利益見通しの増額修正を受け、配当利回りの点からもPERにおいても、同社株の現行バリュエーションの魅力が格段に高まったとしている。
BOCIは主に純負債の増大を理由に、SOTP(サムオブザパーツ)方式に基づく19年の1株当たり予想NAV(純資産価値)を9.48HKドルから9.10HKドルに引き下げ、これに伴い、H株目標株価を下方修正した。新たな目標値は予想NAVに対して30.3%のディスカウント水準。また、A株についても、AH価格差の3カ月平均値をベースに目標株価をやや引き下げたが、H株と同様、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある同社の潜在リスク要因としては、急激な原油安の可能性、石油販売部門の一段の業績悪化の可能性を挙げている。
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