今年のゴールデンウィークは史上初の10連休。年末年始の休みと比べても長く、身の回りのことからマーケットまで様々な影響がありそうです。

 

旅行、観光施設に特需。強気の価格設定も

 そもそもどうして10連休になるかを、まず確認しましょう。今上天皇陛下が退位され、皇太子殿下が即位されることを受け、「国民の祝日に天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律」が施行されました。

 同法の規定により、即位される5月1日と即位礼正殿の儀が執り行われる10月22日は今年限りの「国民の祝日」になります。

 祝日法の定めで、国民の祝日に挟まれた日は休日になります。

※祝日法第3条第3項 その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る)は、休日とする。

 4月29日(月・昭和の日)と5月1日(水・天皇の即位の日)に挟まれた4月30日(火)と、5月1日と3日(金・憲法記念日)に挟まれた2日(木)が休日になります。さらに、5月5日(日・こどもの日)の振替休日が翌6日にあるため、4月27日(土)から5月6日(月)まで10連休になります。

■今年のゴールデンウィークのカレンダー

 この連休を利用して、旅行する方も多いと思います。10連休ともなれば、落ち着いて海外旅行に行くこともできます。旅行会社や宿泊施設にとっては特需ですね。需要の強さに自信があるのか、例年よりも強気な価格設定の先が見受けられます。遊園地や行楽施設なども賑わいそうです。

 同じ個人消費関連でも飲食店や小売店は立地によって、バラつきが出ます。観光地や周辺のお店は混み合うと思いますが、一方で、東京では丸の内や大手町の店舗はビジネスパーソンの需要に支えられているので、10連休ともなると売り上げに悪影響が出かねません(ちなみに、即位の祝賀パレードは10月22日に行われる予定)。地方都市の官庁街やビジネス街の飲食店・小売店にも悪影響がありそうです。

役所はストップ。病院は休診多数。かかりつけ医に確認を

 10連休は一見良いようで実は不便なことも多く生じます。

 国や地方自治体のほとんどが10連休を取るため、役所の窓口で手続きが行えなくなります。土日の窓口サービスに取り組んでいる自治体もありますが、祝日の場合は例外としているところが多いので注意が必要です。補助金などの審査が必要な書類は事務処理の遅延が予想されます。

 日常生活では、病院の休診の影響が懸念されます。自営業の個人クリニックよりも、医療法人が経営している病院の方が10連休になるようです。かかりつけ医が休診で他の病院も休みとなると、急患に対応している病院に殺到することになりかねません。

 病院だけではなく、調剤薬局の休業も心配です。普段は土曜日に営業している薬局でも5月4日(土・みどりの日)は国民の祝日にあたるため、休業を予定しているところがあります。

 処方箋の有効期限についても注意が必要です。処方箋の有効期限は発行日を含めて4日間(4営業日ではありません)。例外的に処方箋の「使用期間」欄に有効な年月日の記載があれば、4日間を越えても有効になりますので、医師に相談した方が良いケースも出てきそうです。多くの方が前倒しで診療を受け、薬を処方してもらうので調剤薬局の在庫切れも心配。

 持病がある方などは、前もってかかりつけ医に相談しておくのがよさそうです。