2030年、東京は最も人口が多い都市になる!?

【あ】明日へと 東京変える 再開発

 本連載をご覧になっている読者の皆様は、不動産投資に多少なりとも興味がある人だと思います。そんな読者の皆様に「不動産投資において一番大事なことは何か?」と質問すれば、人によって答えはまちまちかもしれません。もし、私がその問いに回答するとすれば、「家賃をしっかりと確保できる物件を所有すること」という答えになります。なぜなら、家賃収入が得られなければ、不動産投資は投資として成り立たないからです。

 しっかり家賃の取れる物件を保有することが、まず何よりも不動産投資では重要なことになります。そのために必要なことが「立地選び」です。投資とは、「過去」や「現在」のデータを参考にすることも重要ですが、「未来」に向けての期待を込めて資金を投じるものでもあります。そういった視点で立地を選ぶとすれば、「過去」も「現在」もそうですが、「未来」も優れている東京で実施することが、ベターだと言えるのです。

 下記の図表1のように、2014年時点で、世界で最も人口の多い都市は「東京」です。そして、未来である2030年に一番人口が多いのも、「東京」という予測もあります。つまり、「東京」は、現在から未来にかけて資産価値を維持しやすい都市ということも言えるでしょう。そんなメガシティ東京は、「2020年東京オリンピック・パラリンピック」に向けて、再開発の真っ只中であります。しかし、その後は全く再開発が行われないかというと、そういう訳ではありません。

[図表1]世界のメガシティー人口トップ10と2030年の人口予測

出典:国際連合「The World‘s Cities in 2016」より(表の東京の人口は、東京・神奈川・千葉・埼玉の合計)

虎ノ門、大手町、渋谷・・・大規模再開発が続々スタート

 下記の図表2のように、都心のターミナル駅においては、大規模再開発が2020年以降にも予定されています。「虎ノ門」「大手町」「渋谷」「日本橋」「品川」「浜松町」といった日本有数のオフィス街に新しく大規模オフィスビルが竣工すれば、そのビルに通勤するサラリーマンも増えるはずです。そのサラリーマンの住まいとして都心のワンルームマンションは、投資対象として選ばれています。2014年から2030年までの東京の人口は、大きく変わりません。しかし、東京の世帯構造は確実に変化し、それに対応する街づくりがなされていくのです。

[図表2]大規模再開発が続々スタート ─都内駅周辺の主な再開発事業─

出典:各社公表資料、東京都都市整備局資料を基に作成。(品川新駅の事業費は土地区画整理費)

 2014年3月に東京都が発表した「東京都世帯数の予測」によりますと、東京都の世帯数は2030年代にピークを迎える見通しです。東京都は人口の頭打ちが2025年と予測していますが、その後も世帯の細分化が進み単独世帯が増えるとしています。配偶者との死別による一人暮らしと、結婚に踏み切らない若年層でも晩婚化が進み、都内の単独世帯は2030年に全体の47.2%になり、総世帯数が減少に転じた後も増加し続ける見通しで、特に区部では2035年に単独世帯の比率が50.2%と初めて半数を超えるという発表がされました。つまり、人口は微減する中で世帯数は増える訳ですから、街の創り方そのものが変わります。

 そして、下記の図表3のように単独世帯が急増する中で、都心の住宅事情の在り方も変わるのです。このような再開発と世帯構成の変化が、ワンルームマンションのニーズを高め、高い入居率を支えています。

 [図表3]少子高齢化によって世帯構成が変化している

※出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」(2018年推計)より

(仲宗根 和徳/株式会社和不動産 代表取締役)

※この記事は2018年9月12日に幻冬舎ゴールドオンラインサイトで公開されたものです。

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