受注好調と利幅改善で直近決算が予想上振れへ、19年の車両需要を楽観

現地コード 銘柄名
01766

中国中車股フン有限公司

(シーアールアールシー)

株価 情報種類

 8.07HKD
(3/8現在)

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 中国中車の18年10-12月期決算について、BOCIは自社予想を上振れるとみている。新規受注や利益率が予想を上回るとみられるためで、その結果、出遅れ感のある同社株のバリュエーションがインフラ建設関連の同業銘柄に迫る可能性が高いとした。18年10-12月期および19年通期の利益見通しを増額修正するとともに、目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 BOCIによると、中国中車は来たる決算発表シーズンにおいて好決算が期待できる銘柄の一つ。18年4-6月期、7-9月期には利益率の改善が好業績をけん引したが、10-12月も売上高が前年同期並みにとどまる中、1桁台後半の増益が見込めるという。製品別に見ると、18年にはEMU(動力分散式高速列車)の引き渡し規模がほぼ前年並みとなる半面、機関車の新規受注が好調だった。大型貨物車から鉄道への輸送手段のシフトが背景にあり、機関車受注は19年も好調に推移する可能性が高い。ほかに、無蓋貨車の引き渡しは18年にやや縮小するとみられるものの、19年の受注は前年並みで推移する見込み。EMUと機関車の比重拡大を受けた製品ミックスの高度化で、粗利益率の一段の改善が期待されるという。

 中国の国鉄に当たる中国鉄路総公司(CRC)の車両調達予算は、19年に前年比10%増となる見込み(18年実績は推定1,000億元)。19年中の竣工が予定される鉄道路線は前年比45.2%増に相当する6,800kmで、うち高速鉄道は同22.0%減の3,200km。鉄道車両の需要は主に鉄道の完工状況に左右されるが、19-20年の完工予定規模は極めて大きい。なお、政府活動報告によれば、19年通年の鉄道投資目標は8,000億元。年初にメディアが伝えた数字を10%上回る水準となった。

 一方、中央政府が設定した地方政府債および地方特別債の19年の発行枠は、それぞれ前年比12%増、54.9%増。地方のインフラ投資を支援するという中央の強い意向が反映された。このうち特別債は、主に地方政府レベルのインフラ建設プロジェクトを支える目的であり、その発行枠の拡大は地下鉄や市内鉄道プロジェクトの履行を促す見込み。この点もやはり、鉄道車両需要を押し上げる可能性が高い。

 BOCIは18年10-12月期と19年通期の利益見通しを増額修正した。新たな予想では、18-20年の増収率はそれぞれ前年比0.2%、8.8%、8.8%。増益率は同10.2%、10.5%、10.5%となる。また、引き続きPER16.6倍をあてはめながらも、算出ベースを18年予想から19年予想にシフトしたのに伴い、目標株価を上方修正。株価の先行きに対して強気見通しを継続した。レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、中国鉄路総公司の車両調達予算が、予想より少額にとどまる可能性を挙げている。