1.株価推移
日本マクドナルドHDの株価推移(2019年3月7日まで)
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出所:楽天証券ウェブサイト
日本マクドナルドHD(2702)は、2010年代前半に価格競争激化などを背景に業績が低迷していましたが、その後の施策が奏功し、2015年12月から既存店売上高が伸び続け、営業利益は回復傾向にあります。これを受け株価も上昇局面にありました。しかし、2018年半ばごろからは利益確定売りに押され、足元の株価は上値の重い展開が続いています。
2.投資判断と業績予想
投資判断
株価は当面、5,000円を挟んだ狭いレンジで推移すると予想します。営業利益は過去最高益更新が視野に入る状況ですが、予想PER(株価収益率)が38.2倍(2019年3月11日終値)とすでに高く評価されており、業績の拡大はおおむね株価に織り込まれていると考えられます。事業自体は堅調で株価下振れリスクが限られているとみられることから、株主優待を目的にした保有銘柄として適切でしょう。
日本マクドナルドの株主優待情報はこちらからアクセスできます。
業績予想
日本マクドナルドHDの連結業績推移
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出所:会社資料より楽天証券作成
予想:楽天証券
市場予想:アイフィスコンセンサス予想(2019年3月7日時点)
日本マクドナルドHDの店舗状況
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出所:会社資料より楽天証券作成
予想:楽天証券
楽天証券では同社の連結営業利益について、2019年12月期:10.2%増、2020年12月期:5.8%増、2021年12月期:6.5%増と予想しています。2020年12月期の連結営業利益は、2011年12月期の281億円を超え、過去最高を更新する見込みです。伸び率が緩やかにはなるものの既存店売上高が続伸するほか、積極出店が増益に寄与するとみられます。
一方、当期純利益は、固定資産除却損の増加などを背景に、2018年12月期は8.7%の減益になりました。2019年12月期も前期の特別利益がなくなる反動により18.8%減となる見込みです。2020年12月期、2021年12月期も除却損が発生する可能性が高く、過去最高益である2017年12月期の240億円を超えることはないでしょう。
3.既存店見通し
楽天証券では同社の既存店売上高について、2019年12月期:4.8%増、2020年12月期:4.0%増、2021年12月期:1%増と予想しています。39カ月連続で拡大してきたため(2019年2月時点)増収率は低くなるとみていますが、2019年のゴールデンウィークの10連休、2020年の東京オリンピックなど、客数増加が期待できるイベントがあります。消費増税はネガティブ材料ですが、テイクアウトや配達を選べば消費税率は据え置かれる見通しであり、マイナスの影響は緩和されるでしょう。
2006年12月期を100とした場合、既存店売上高は2015年12月期に84まで落ち込みましたが、2018年12月期は120まで拡大しています。競合他社と比べて古く見えていた店舗の改装を積極的に進めたことに加え、夜メニューの強化や、ファミリー層向けの企画強化を行ってきた成果です。
ファミリー層向けの企画「ほんのハッピーセット」
子供たちがより気軽に本に触れる機会と、親子の時間を作り出すことを目的に、おもちゃに加えて絵本または図鑑も選べるようになったハッピーセットの取り組み
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2006年12月期を100とした場合の、各期の既存店売上高推移
(期間:2007年12月期~2021年12月期)
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予想:楽天証券
注:小数点以下を四捨五入
今後は、デリバリー対応店の拡大に加え、「未来型店舗」を広げる戦略です。「未来型店舗」では、アプリで前もってオーダーすることによって行列に並ばずに済むモバイルオーダーや、スタッフが席まで注文商品を運んでくれるテーブルデリバリーに対応しています。来店客に高い利便性を提供することにより、マクドナルドに足を向ける回数を増やそうとしているようです。
モバイルオーダー
アプリで前もってオーダーすることによって行例に並ばずに済む
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テーブルデリバリー
スタッフが席まで注文商品を運んでくれる
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営業利益、当期純利益は既存店に左右される
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単位:億円
出所:会社資料より楽天証券作成
予想:楽天証券
4.店舗数見通し
会社側は今後、毎期10~20店舗の純増を計画しており、楽天証券も同程度の店舗純増を見込んでいます。下の図の通り、これまで店舗数は、不採算店の見直しや出店抑制により減少傾向にありましたが、今後は緩やかに増加する見込みです。都市開発の影響で、人口が多いにもかかわらず店舗がなくなった街、10年前は候補にならなかったが今なら出店候補になる街などもあり、出店余地はまだ残されています。
店舗数の推移
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単位:店舗
出所:会社資料より楽天証券作成
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