A株IPO計画を発表、H株のバリュエーション改善に期待

現地コード 銘柄名
03969

中国鉄路通信信号

(チャイナ・レールウェイ・シグナル・アンド・コミュニケーション)

株価 情報種類

 6.50HKD
(3/1現在)

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 中国鉄路通信信号はこのほど、A株のIPO(新規株式公開)計画を発表した。本土A株市場で最大21億9,745万4,750株を発行する予定であり、これはIPO前の発行済株式総数の25%、IPO後の同総数の20%に相当する。A株市場における工業株のバリュエーションは通常、H株を上回る水準にあり、BOCIはA株IPOによるH株株主への恩恵を予想。さらに、現在株価が同業の鉄道設備銘柄との比較で最も低水準にあるとし、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 本土の鉄道設備セクターではA株・H株の重複上場銘柄が大半を占め、現時点で香港H株市場だけに上場している関連銘柄は、中国鉄路通信信号と株洲中車時代電気(03898)のわずか2社のみ。工業株のA株株価は通常、H株株価を大きく上回る水準にあり、同社が今回発表したA株IPO計画はH株株主にとってもプラスとなる可能性が高い。BOCIによれば、同社は高速鉄道および地下鉄の信号システム分野における絶対的なマーケットリーダーであり、A株市場に純粋な同業銘柄は存在しない。こうした点から、A株公開価格に関して適正評価が期待できるという。

 中国鉄路通信信号のH株株価は現在、19年予想PERでわずか11.7倍の評価で取引されている。一方、鉄道車両メーカー中国中車(01766)の19年予想PERは、H株が16.0倍、A株が18.9倍の水準にある。BOCIは中国鉄路通信信号のA株公開価格のバリュエーションが中国中車A株とほぼ同レベルに設定されるとみており、こうした状況は既存のH株株主に有利。さらにA株上場後の株価パフォーマンスが好調であれば、同業銘柄に対するディスカウント率の縮小にもつながるとしている。

 BOCIは同社のファンダメンタルズの堅調さを指摘し、利益見通しを現行水準に維持。目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、国有鉄道運営会社の中国鉄路総公司(CRC)が信号システム市場で一定のシェア獲得を目指す可能性を挙げている。