軍事的緊張の高まりや軍需産業改革が支援材料、中国の国産機量産化も追い風に

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銘柄名 株価 情報種類

02357

中国航空科技工業
(アビチャイナ)

 4.60 HKD
(8/17現在)

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 アビチャイナの株価はこのところ大きく調整しているが、BOCIは同社株価への強気見通しを継続している。同社にとっては短期的に、中国を取り巻く地政学リスクの高まりが支援材料であり、中期的には国内の軍需産業改革が追い風となる見込み。また、中国が研究開発した大型民間旅客機「C919」の商業生産化による恩恵も期待できるとしている。ただ、2017年6月中間決算に関しては、市場コンセンサス予想が相対的に高く、実際には予想を下回る可能性が高いとの見方。17年6月中間期および12月通期の利益成長率が1桁台半ばから後半にとどまる見通しを示した。同社の目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 アビチャイナの17年通期純利益に関する市場予想は前年同期比15%増と、相対的に高水準にあり、BOCIはこの予想値には届かないとの見方。中間期および通期の増益率がいずれも、1桁台後半程度にとどまるとみている。

 成長途上にある子会社、中航光電科技(002179)は17年中間決算で前年同期比1.0%増収、11.4%増益を達成した(速報値)。ただ、市場が懸念しているのは別の子会社、中航航空電子系統(600372)の業績不振。同社の1-3月期決算は赤字転落というネガティブサプライズとなっており、BOCIはアビチャイナの1桁増益見通しの一因として、この点を指摘している。

 中国の国産旅客機「C919」は17年5月に初の試験飛行を完了。現在は2号機が組立検査中であり、10-12月期にも初飛行を行う予定となっている。「C919」は長期的に、アビチャイナに恩恵をもたらすとみられ、BOCIは部品の約10%分の供給を同社が担うと予想。1機当たり4000万-5000万元の売り上げが期待できるとした。BOCIのカバー銘柄の中では、唯一の「C919」恩恵銘柄になるという。

 BOCIは同社の現在株価の17年予想PERがわずか19.6倍の水準にある点に言及し、中国周辺の軍事的緊張や、同社が軍需産業改革のテーマ株であること、さらに「C919」の量産化による長期の恩恵などを支援材料として指摘。目標株価を据え置いた上で、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。