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日本の株式市場は、今年に入り米中通商交渉の進展期待などから反発傾向が続き、日経平均株価は上値抵抗線となってきた21,000円を上回ってきました。こうした中、3月8日に“Special Quotation”(『SQ』)を迎えます。『SQ』の前は突然株価の変動率が高まったりすることがありますが、今回はショートポジションが高水準にあるため、外部環境次第では特に変動が拡大する可能性もあり注目されます。
【ポイント1】『SQ』とは先物・オプション取引を決済するための特別清算指数
『SQ』前は変動率が高まる傾向
日本の株式市場は3月8日に『SQ』を迎えます。『SQ』とは株価指数の先物取引やオプション取引などを、決済期日で決済するための「特別清算指数」のことを指します。
投資家は『SQ』に向けて多様なポジションの決済等の対応を迫られます。『SQ』前に何らかの要因で株価が変動した場合にポジションを一気に解消する動きが出て、株価の変動率が大きくなる傾向があります。
【ポイント2】積み上がるショートポジション
ネット裁定残高は低水準、空売り比率は高水準
外国人投資家は、日経225先物とTOPIX先物を10月(大阪取引所発表、10月1日~11月2日)に約3.5兆円売り越した後も売り越し基調にあり、将来買い戻しをもたらすショートポジションが積み上がっています。
この影響から、ネット裁定残高が12月21日には▲0.1億株とマイナスに転じ、2月15日現在も1.44億株と極めて低水準にあります。ネット裁定残高は、国内大手銀行が破綻・一時国有化された1998年と英国が欧州連合(EU)離脱を決めた2016年にもマイナスになりましたが、その後株式市場は大幅に上昇しました。
空売り比率は一般に40%を超えると高水準とされますが、12月3日~2月19日まで50営業日連続で40%超が続いており、現物株でもショートポジションが高水準です。
【今後の展開】『SQ』に向け日本株は変動の大きい展開か?
『SQ』に向けて株価は大きく変動する可能性がありますが、今回は特に積み上がったショートポジションを一斉に買い戻す展開になるかが注目されます。21,500円のコールオプションの建玉が非常に多いこと、日経225先物の売買が20,500円程度を中心としたレンジで行われていたことからみて、日経平均株価が21,500円を上回るとショートカバーによる株価の上昇が加速する可能性はあり、ポイントとみられます。ただし、『SQ』前の株価の大幅変動は、ポジション整理のための一時的なものであることに留意する必要があります。
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