2019年~2020年のイベントを前に、材料株が好調
もうすぐ2月が終わります。2月が終わるということは2019年の6分の1が終わるということです。株式市場は全般、戻りを試す動きとなっていることから「残り6分の5」に対する期待は充分にあるものとみられます。
本年は5月に改元が行われ、7月には参議院選挙があります(衆参同日選挙の可能性も指摘されています)。10月からは消費税が現行の8%から10%に引き上げられ、「5G」(第5世代移動通信システム)は2019年末から2020年にかけてスタートします。そして来年、2020年にはいよいよ東京オリンピックが開催されます。
ここまでにも「IBJ(6071・東証1部)」をはじめとする改元祝賀ムードと結びついた結婚・婚活関連株、「アンリツ(6754・東証1部)」を中心とする5G関連株などの材料株が目立った動きをしているのは、これらスケジュールが背景にあるとみられます。
足元堅調な銘柄にはバリュー株の一群も
ただ、「全体相場にもっとも強く影響している要因は?」と問われると、それは「米中貿易交渉の行方」であり「米金利動向(FRB[米連邦準備制度理事会]の姿勢)」、「米政治動向(トランプ大統領の政権運営)」が筆頭として指摘できるでしょう。中国景気動向、米国株価動向、そして日本企業の業績動向がときに楽観され、ときに悲観される時があり…それに従って全体相場は上下動を繰り返しているのです。
その中にあって、「安値から切り返している銘柄」、「一段高に進んでいる銘柄」はこの先、全体相場に対する好材料が出てきたときにさらに注目されるかもしれません。
多くの投資家が売買をすることによって株価が決まる株式市場においては「株価そのものが状況を映している」という考え方があります。堅調な動きをしている銘柄は、そうでない銘柄に比べ買う投資家が多い(or売る投資家が少ない)ことになります。
株価が足元堅調なものをピックアップし、そこからその背景を考えるやり方も一考すべきではないかと思います。材料株のように要因がはっきりしている場合も、どの銘柄が中心的存在になるのかについて、その推移を見守っていかなければなりません。
ほとんどの場合、流動性が飛躍的に増大した銘柄がそれになりますが、始めから決め打ちできる性質のものではありません。
足元堅調な銘柄を調べていくと、意外にも、あまり話題に上っていないバリュー(割安)株の一群も該当することがわかりました。バリュー株は材料よりもファンダメンタルズに左右される銘柄で、外国人投資家の動向によって株価が上下動をするイメージが強いです。ここでは「10万円で投資可能な足元堅調バリュー株」を紹介します。
10万円で投資可能な足元堅調バリュー株
株価データは2019年2月18日終値ベース。
藤倉化成(4620・東証1部)
アクリル樹脂派生品製のコーティング材、建築用塗料、電子材料、機能材料の4を柱とする化学企業です。2月8日に発表した2019年3月期第3四半期累計の連結経常利益は前年同期比19.8%増の26.5億円でした。
・藤倉化成の日足チャート
高圧ガス工業(4097・東証1部)
溶接・切断用に使用される溶解アセチレンの最大手企業、国内シェアは約4割です。ボンベの製造や、溶接溶断関連機器販売も手掛けています。2月8日に発表した2019年3月期第3四半期累計の連結経常利益は前年同期比3.4%増でした。
・高圧ガス工業の日足チャート
大紀アルミニウム工業所(5702・東証1部)
アルミスクラップを再生利用するアルミ2次合金地金の最大手企業です。自動車向けウエートが高いことで知られます。2019年2月8日に、100万株(発行済み株式数の2.4%)、6億円を上限とする自社株取得枠設定を発表しています。
・大紀アルミニウム工業所の日足チャート
日本板硝子(5202・東証1部)
板ガラス分野では旭硝子と並ぶ世界シェア首位級企業です。建築用と自動車用ガラスで売上高の9割を占めています。1月31日に2019年3月通期の連結営業利益を従来予想の410億円→370億円に9.8%下方修正したものの、株価は出直りの動きです。
・日本板硝子の日足チャート
フコク(5185・東証1部)
独立系自動車用ゴム製品の大手企業です。ワイパーブレードラバー、ダイヤフラムなどのブレーキ・シール機能製品が主力で、ワイパーブレードラバーは国内シェアを独占しています。原材料高や人件費増を主因として業績的には厳しい局面が続いています。
・フコクの日足チャート
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