株主優待の魅力

 皆さん、こんにちは。「お宝優待株」で株主優待の連載をしているまる子です。今回は私が株主優待マニアになった理由や優待の魅力についてお伝えします。

 株式投資を始めたのは、20年ほど前。ようやくネット環境が整いだし、ネット証券ができ始めた頃でした。初めはどんな株を買って良いかも分からず、とりあえず「配当」や、新聞を読んで「業績」などを見て、大型株を買っていました。

 その後、IPO(株式の新規公開)投資やデイトレーダーもどきも経験しましたが、「何だか面白くない……」ただ株価が「上がった」、「下がった」だけを見るのはとても機械的で、株を持っている会社にもあまり愛着を感じられませんでした。

 そんな時に届く株主優待は、企業からの「プレゼント」にも感じましたし、株価が下がっていても「優待あるからまぁいいかぁ~」とギスギスした心を落ち着かせる「お薬」でもありました。市場が低迷していた時も、株主優待が届くとなぜかホッとしますし、配当は振り込みで目に見えませんが、株主優待は実物が届くので手に取り、目で見て、実感できるのもうれしかったですね。

 そんな身近な幸せを感じられる優待投資にはまって早十数年。私が大好きになった優待の魅力を少しでもお伝えできたら良いなと思っています。

株主優待の特徴

 そもそも株主優待とは、企業が一定数の株券を権利確定日に保有していた株主に対して自社の製品などを送る制度。現在上場している約3,600社の内、およそ1,500社が導入しています。諸外国ではあまり見ない制度で、お中元、お歳暮といった「贈り物文化」のある日本独自の株主還元策となっています。

 初めて優待株を買われる方は、「権利日が3月末なのだから、優待が届くのは2週間後くらいかな~」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、あくまでも3月末の権利付き最終日に株を買い、およそ3カ月後の株主総会後に届くのが通例となっています。

 そのため、12月に家の近所にある外食系の優待株を購入したけど、3月に転勤が決まり、引っ越し先には使えるお店がない! という悲劇も起こりかねませんし、逆に夏休みのレジャー計画を3月優待銘柄から探すということもできます。株式投資、優待投資は少しの「想像力」と「妄想」を働かすと、より楽しくできます。

初めての優待銘柄探し

 株主優待を出している会社約1,500社の中で、どの企業の株を買えばいいのか……。最近は株主優待が人気となり、株式価値から考えると株価が高い銘柄(割高)も多くなっているように思います。そこで、私からのアドバイスです。

【初心者の銘柄選び】
1.余剰資金で分散投資
2.自分が「欲しい」「使える」「楽しいと思える」銘柄
3.狙ったターゲットをしっかりウォッチして、下がったところで買う

シンプルですが、この3点に尽きると思います。

 優待の権利が手に入る翌日の「権利落ち日」に株価が下落する場合もあり注意が必要です。「3,000円の優待券をもらおうとしたら、株価が10,000円も下落」なんてことも、ないとは言えません。

 購入タイミングとして、優待の「権利落ち」で下がったところを買う手もあります。ただ、実際に株主優待を手にするのは次の権利後のさらに3カ月先になるので、年に2回ならおおよそ9カ月後、年に1回の優待なら15カ月後となります。

 毎月1つでも優待銘柄を買っていれば、何かしらの優待品が届きます。また、分散投資という意味でも多額を一つの銘柄に投資するよりも、10万円で数銘柄買った方が楽しみも広がります。

 ちなみに、私の場合、お気に入りで持ち続けているのは50銘柄位で、年間250銘柄位の権利をとっています。使うことを重視しているので、私的にはこのくらいが無駄なく、楽しく使える優待銘柄数です。

株主優待品は楽しむべし

 チケット系の株主優待は使ってナンボ。使わないとただの紙切れになってしまいます。せっかく届いた優待券も「お店が近くにない」とか「夜は出られないのに、ランチ営業がない」とか。その辺りのリサーチは皆様抜かりなく。かく言う私もイオンの店舗が自宅周辺に全くないので、おススメ銘柄に挙げていますが、一度も権利を取ったことがありません。残念ながら私にとってイオンオーナーズカードは「使えない」優待なのですよね……。

 個人投資家に優しい制度や、企業も増えているように思います。また、最近の優待人気で企業側も工夫を凝らした優待を考えているようです。確かに新規優待ではクオカードやプレミア優待倶楽部が多いですが、毎年優待の詰め合わせの内容の変更や、工場見学や株主との懇談会などの対話も多くなっています。抽選で宝くじや海外の自社工場見学会にご招待などワクワクする優待もありますよね。

 株主との対話と言えば、私の好きなのは「株主総会」。以前は「シャンシャン総会」がよくありましたが、企業側も「対話」を重視する傾向が強まり、総会会場のロビーに自社製品を展示したり、総会後に会社説明会や懇談会を開催したりと個人株主に対しての想いが伝わる場所となりました。ただ、株主の公平性を鑑みてお土産を廃止する会社が増えているのが、少し寂しいですね。
※シャンシャン総会…質疑応答や議論などがなく短時間で終了する、形式的に行っているような総会

 株式投資にはいろいろな手法があり、株を買っている理由も千差万別、人それぞれ。どれが正しい、何が間違っているかを探すのではなく、自分が納得でき、楽しければ良いのではないでしょうか。株主優待は株投資の一つの楽しさを提供してくれるもの。そんな「あなただけの特別な優待」を見つけてほしいと思います。

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