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今年の10月に消費税率の8%から10%への引き上げが予定されています。消費増税により、『ドル円レート』は円高、円安、どちらに動きやすいと考えられるのでしょうか?今回は、消費税が導入された時および消費税率が引き上げられた時はどのように動いたのか、過去の推移を見ていきます。ただし『ドル円レート』は国内要因だけではなく、その時々の世界情勢の影響も受けるため、国内外の全体的な状況を見る必要がありそうです。
【ポイント】過去の消費増税後の『ドル円レート』は円安だった
消費税が導入された時、および消費税率が引き上げられた時の『ドル円レート』の推移が右のグラフです。それぞれ、導入及び税率引き上げの日から1年間の変化を見てみました。
消費税が導入された1989年4月1日の『ドル円レート』は132円77銭でした(同日は土曜日のため、前日のレートを適用)。約1年後の1990年3月には一時158円台と、消費税導入時から約20%のドル高円安となりました。
消費税率が3%から5%へ引き上げられた1997年4月1日の『ドル円レート』は121円93銭でした。その後、1997年6月にはいったん111円台前半までドル安円高となりましたが、1998年1月には一時134円台となり、5%への税率引き上げ時から見ると約10%のドル高円安となりました。
さらに、消費税率が5%から8%へ引き上げられた2014年4月1日の『ドル円レート』は103円65銭で、その後しばらくはレートに大きな変化はありませんでした。しかし、4カ月ほどしてからドル高円安に動き始め、2014年12月には一時121円台と、8%への税率引き上げ時から見ると約17%のドル高円安となりました。
【今後の展開】国内要因だけではなく、世界情勢の動向を見ることが必要
増税が行われると財政が健全化する、と考えると消費増税は円高要因と見ることが出来ます。しかし、短期的には増税前には駆け込み消費が見られる一方、増税後にはその反動から消費が減少し景気が停滞するため円が売られる要因になる、とも考えられます。しかも、為替レートは国内要因だけではなく、『ドル円レート』であれば米国を中心とする、その時々の世界の政治・経済情勢等も反映されます。今年10月の増税以降を占ううえでは、国内であれば来年の東京五輪・パラリンピックに伴う消費の盛り上がりなどが期待されます。一方、米国では来年の大統領選挙や米中貿易摩擦のほか、主要国の金融政策の方向性の違いなどが注目されそうです。
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