「消費国」に焦点を当てて「銅」を解説!

 コモディティ(商品)は私たちの身近にある商品や資源です。この身近にあるコモディティについての知識が増えれば、コモディティの値動きに影響を受ける株式などへの投資ももっと分かるようになります。

 今回のテーマは産業用金属の一つ、「銅」。電線などの社会インフラ(基盤)の他、たくさんの種類の家電製品に用いられ、私たちの生活になくてはならない存在です。今回は「銅」の消費国(地域)について、解説していきます。

コモディティ☆クイズ「銅の消費国、世界1位は?」

 

銅の主な消費は、電力、電気機器、輸送、建設の分野!

出所:JOGMEC・安泰科などのデータをもとに筆者推定

 銅は加工しやすい上、電気や熱を通しやすい性質があるため、私たちの生活になくてはならない存在です。

 社会インフラの中で重要な電線などの電力の分野、家庭用生活家電(洗濯機や冷蔵庫、エアコン)のなどの電気機器の分野、自動車のボディや配線などの輸送の分野、配管の金具などの建設の分野など、その用途は身近で多岐にわたります。

 インフラ設備に注力中の中国では、電力・通信などのインフラ投資の消費が51%にも上ります。一方、日本では、得意分野の電気機器の製造に多用されているなど、銅消費から国の事情を読み取ることができます。

 

「銅」投資で覚えておきたい注目点!

 

出所:ICSGのデータをもとに筆者作成

 銅の消費量は緩やかながらも増加傾向にあります。近年は、生産量を上回りながら増加しています。世界中にはさまざまなリスク・懸念がありますが、世界全体としては銅の消費は増加していると言えます。

「銅」は今いくら?現在の価値

出所:CMEのデータをもとに筆者作成

 国際的な価格の指標であるLME(ロンドン金属取引所)の銅価格は、足元、過去10年間の高値と安値の中間あたりで推移しています。

 2018年は、米中貿易戦争の激化により世界経済の成長が鈍化し、銅の消費が減少する懸念が生じたため、やや下落する場面がみられました。しかし、下落は一巡し、10月ごろからは横ばいとなっています。

 

「銅」の投資商品例

 日本でも個人投資家が投資できる、ETF(上場投資信託)、ETN(指標連動証券)、商品先物を紹介します。

【ETF(上場投資信託)、ETN(指数連動証券)】
 証券会社に口座を持っている人に便利。株を取引きするのと同じように銅の取引ができる。関連するETF・ETNは原則、銅価格に連動するように設計されている。長期保有も短期売買も可能(ETNは満期日あり)。

【商品例】
▼ETF(国内)
1693 銅上場投資信託 (東証)
▼ETN(海外)
JJC  iPath シリーズB ブルームバーグ銅サブ指数トータルリターンETN (NYSE Arca)

【商品先物】
 レバレッジをかけた短期売買ができる。新規発注時、値上がりした場合に利益が出る“買い”に加え、値下がりした場合に利益が出る“売り”も選択できる(買いのポジションは値下がり時、売りのポジションは値上がり時に損が発生)。

【商品例】
商品先物(海外):銅、ミニ銅 (CME)