先週の国内株市場ですが、週末11日(金)の日経平均終値は2万359円でした。大発会だった先週末の終値(1万9,561円)からは798円高と大幅反発した格好で、先週末と今週末とでは相場の雰囲気に違いを感じさせる印象です。
連休明けの今週は4営業日になりますが、こうした株価の戻り基調は続くのでしょうか?早速、下の図1の日足チャートで足元の状況から確認です。
■(図1)日経平均(日足)の動き(2019年1月11日取引終了時点)
「窓」空けで2万円台を回復して週の取引をスタートさせた日経平均ですが、その後も5日移動平均線上を維持しつつ、2万円〜2万500円の範囲内での推移し、そのまま週末の取引を迎えています。
また、平均足とMACDの組み合わせで短期のトレンドの状況を見てみると、平均足が陽転(陰線から陽線へ変化)した後にMACDの二本の線がクロスしており、短期的には上昇トレンドに転じているように見えます(下の図2)。
■(図2)日経平均の平均足とMACDの動き(2019年1月11日取引終了時点)
以上のように、堅調な相場展開であったものの、再び図1に戻ると、ローソク足の並びが陽線と陰線を繰り返す「鯨幕相場」となっていて、上値をどんどん伸ばしていったわけではなく、前週末比で800円近い上昇だった割にはあまり力強さが感じられない面もあります。
また、先週末終値である2万359円の株価水準にも注目する必要がありそうです。
■(図3)日経平均(週足)の動き(2019年1月11日取引終了時点)
以前のレポートでも、中期的な日経平均のチャートの形がいわゆる「ダブルトップ」の天井パターンになっていて、2016年の半ばから始まった上昇トレンドがいったん終了している旨を紹介しましたが、そのダブルトップのネックラインとされるのが、昨年(2018年)3月26日安値の2万347円です。
つまり、先週の値動きがネックラインの水準を十分に上抜けできておらず、このまま反発が継続するのか、ネックラインで再び下落へと跳ね返されてしまうのか微妙な位置取りになっているわけです。
先週の株価反発のきっかけになった、米中摩擦の改善期待や金融政策への期待などの材料で相場が持ち直すという構図は、その後の警戒感の盛り返しで下落する「いつか来た道」の既視感があるため、強気に傾くにはまだ慎重にならざるを得ませんし、また、国内外の決算シーズンが本格化するにはまだ少し日があるほか、EU離脱の採決が英国で控えていることによる様子見モードも、こうした日経平均の微妙な位置取りとなって現れているのかもしれません。「取りあえず戻せるところまで戻して、次の展開待ち」の状況と言えます。
しばらくはこの株価反発の流れに取りあえず付いて行くのが基本的なスタンスになるかと思いますが、ムードが変わりやすい地合いであることに留意しつつ、割り切って対処することが必要な局面と思われます。反対に、軟調な展開となった場合には、再び200週移動平均線がサポートとして機能できるかが焦点になりそうです。
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