今週は、週前半反発しても、米中貿易摩擦の交渉結果次第で大きな上下動

 3日の米国株式がアップルショック(中国市場での売上減少から業績下方修正)で、▲660ドルの2万2,686ドルとNYダウが大幅安に。円高進行も加わり、日経平均株価は一時▲773円の1万9,241円。終値は▲452円の1万9,561円で引けました。

 しかし、東京市場引け後の米国市場では、12月米雇用統計でNPI(非農業部門雇用者数)が予想を大きく上回り、また、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が必要あれば金融政策を変更すると発言したことで急反発。一時+832ドルの2万3,518ドルまで上昇し、4日の終値は+746ドルの2万3,433ドルで引けました。シカゴの日経先物は+610円の2万90円と2万円台を回復していました。

 今週は、買い先行で始まるものの、上昇が継続するかどうかは米国株式次第といえます。世界経済の景況感をにらみながら神経質な相場展開となりそうです。

 問題は米中貿易摩擦の行方ですが、米通商代表部が7~8日の2日間、北京を訪れ中国との協議に入る予定です。ここで貿易摩擦が緩和する動きが出れば短期的な上昇が続くことになります。そうでなければ失望売りとなると考えられます。

 ただ、90日の猶予内ですので、2月末までは警戒感の強い相場が基本となります。今月、米国企業は10~12月期の決算を控えており、米中貿易摩擦の影響でアップルのような業績下方修正を強いられる企業が相次ぐ可能性もあり注意が必要です。

 最近の日経平均は、NYダウと連動する動きとなっており、週明けの7日(月)は先週末の米雇用統計の結果とFRBのパウエル議長の発言を受けて、米国株式が大幅高となったことで、前場は+382円の1万9,944円で始まり、全面高となって一時+704円の2万266円まで上昇しました。買い一巡後は伸び悩み+477円の2万38円で終わりました。

 

(指標)日経平均

 今週の日経平均は、先週末の米国株高を受けて反発して始まりました。しかし、米中貿易摩擦は長引き世界経済への懸念は強まり、神経質な展開となりそうです。米国が猶予している中国からの輸入品への追加関税が発動されれば、株式相場を押し下げることになり注目です。今週は、日米欧の経済統計が発表され内容次第では世界経済の景気減速が現実味を帯びることになります。

(指標)ドル/円

 昨年末の週は、世界経済の減速懸念を警戒してドルが売られる半面、リスク回避の円買いの動きとなり、その流れの中で2019年の1月2日はアップルショック(中国での売上減少で業績下方修正)から、一時1ドル=104円台後半までドルが売られました。しかしすぐに108円台まで戻しましたが、108円台で上げ渋りました。1月4日(金)は米国の雇用統計やFRBのパウエル議長の発言を好感し、底堅い動きとなり108.52円で引けました。

 今週は、先週末の米雇用統計やパウエル議長の発言からドルの下落はいったん落ち着いています。しかし、世界経済の減速懸念は強まっており、ドルは弱含みで推移しそうです。
米中貿易摩擦は長期化懸念もあり、政府機関の一部閉鎖も長引く気配のため、株式相場は大きなもみ合いが想定され、為替も連動することになります。1ドル=107~109円のレンジが基本。