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 今年の漢字に”災”が選ばれたことに象徴されるように、2018年は地震や豪雨、台風といった『自然災害』が相次ぎ発生し、世界的にも猛暑となるなど、天候や災害による消費などへ影響が大きく及んだ年となりました。日本では人々の消費マインドの低下や、企業の設備投資が大きく落ち込んだことにより、7-9月期の実質GDPは2四半期ぶりにマイナス成長となりました。

 

【ポイント1】相次いだ『自然災害』

消費マインドを下押し

 今夏は、日本のみならず世界的に記録的な猛暑となりました。国内では、7月として東日本で1946年の統計開始以来第1位、西日本で第2位の高温を記録しました。一般的に、猛暑の年は夏物衣料などが売れることなどから消費にプラスに働くことが多いとされますが、今年は猛暑に加え、北海道胆振東部地震、大阪府北部地震や平成30年7月豪雨、台風21号、24号の直撃など『自然災害』が相次ぎ発生しました。

 景気ウォッチャー調査の7月調査では、現状判断DIが46.6と前月から▲1.5ポイント低下しました。特に、平成30年7月豪雨で大きな被害が出た西日本地域では、中国地方が同▲6.5ポイント、四国地方は同▲5.6ポイントと大きく低下するなど、消費マインドを悪化させる要因となりました。

 

【ポイント2】7-9月期GDPは2四半期ぶりマイナス成長 

設備投資が大きく下方修正

 また、『自然災害』の影響が出た7-9月期の実質GDPは、2四半期ぶりにマイナス成長となりました。内訳を見ると、個人消費は前期比▲0.2%と2四半期ぶりの減少、また、設備投資は同▲2.8%と、速報値の同▲0.2%から大きく下方修正され、8四半期ぶりの減少となりました。人手不足の対応への投資など、これまで設備投資は順調に伸びていましたが、相次ぐ『自然災害』が発生したことで設備納入の遅延などが発生したとみられます。

 

【今後の展開】落ち込みは一時的、景気は緩やかな回復へ

 7~9月にかけて大きな被害をもたらした『自然災害』や猛暑は、10月以降落ち着いており、晴天が多くなるなど天候も安定しています。景気ウォッチャー調査の現状判断DIは、直近11月分で51.0と景気判断の分岐点とされる50を11カ月ぶりに上回るなど、改善しています。

『自然災害』によるマイナスの影響は一時的で、12月には戦後最長の「いざなみ景気」に並ぶ景気拡張期間になると見られるなど、緩やかな成長は続くと期待されます。ただし、足もとの米中貿易摩擦への懸念や、世界的な景気減速への懸念による株式市場の大幅な調整などの、不透明要因には注視が必要です。