ゴールド金曜日に1,290ドルタッチ

2017年8月14日(月)掲載分より

 続く北朝鮮の威嚇、それに対するトランプ大統領の応酬がもはや抜き差しならないところまできたという危機感が、マーケットでも深刻に受け止められています。

 10日(金)に1,290ドルまで上昇し、1,300ドルにあと10ドルまで迫りました。先週前半、海外のロイターの記者に「ゴールドが1,300ドルに届くと思うか」と聞かれ、「もうすぐにでも」と答えました。北朝鮮問題は現在も決して解決していない問題で、成り行き次第では1,300ドルはすぐに行くだろうし、決して軽視したり、織り込み済みとは思わないほうがよいと考えます。

 夏休みで非常に薄いマーケットですが、今年は北朝鮮問題が強気要因に動くかもしれません。とにかく今はまず何よりも北朝鮮とトランプの動向がすべてですね。

 

CFTC Commitment of Traders Report as of  08 Aug 2017(2017年8月14日(月)掲載分より)

右軸:投資家ポジション(トン)、左軸:ドル建てゴールド価格
出所:池水氏のレポートより抜粋

投資家ロングポジションは464トンから500トンへ。大きく増加。

 

ゴールド上昇、北朝鮮不安で

2017年8月10日(木)掲載分より

 大きく上昇しました。アジアは1,261ドルから始まりましたが、じわじわ上昇して1,269ドル。欧州やニューヨークでも買いは続き、高値は1,279ドル手前までありました。昨日、北朝鮮問題は「clear and present danger(今そこにある危機)」だと書きましたが、ようやくそれがマーケットにも浸透してきたようです。日経平均は一時300円を超える下げとなり、世界の株式市場も軒並みマイナスとなりました。

 北朝鮮の問題はシリアスであり、決して慣れるようなものではないと、これまで警鐘を鳴らしてきました。いまさらという気もしますが、これが本来のあるべき姿だと思います。円も一時安全資産として買われて109円の半ばまで円高となりましたが、その後110円まで戻しており、円建てのゴールドは50円近い急騰となりました。北朝鮮問題の、おそらく韓国の次に近い当事者と言ってもいい日本の通貨が安全資産として買われるというのも、ちょっと根本的におかしいのではないか感じますが。

南アの混迷とランドとプラチナ

2017年8月10日(木)掲載分より

 南アフリカのズマ大統領の不信任案が議会で否決されました。2009年の大統領就任以来、なんと8度目の不信任案。汚職疑惑と経済の低迷、富豪一族との癒着、ファミリーへの利益供与など、まあ正直すべての混乱の元凶は彼であることは誰がみても明らか。

 与党ANC(アフリカ民族会議)、および大統領はその延命のために黒人優遇政策をさらに推し進めることが考えられ、南アの財政赤字はさらに膨らむ可能性があります。

 南アフリカランドはさらに下落。この国の失業率は25%あり、若者の半分は職がないといわれています。ちょっとお先真っ暗。ランド安はプラチナにとってはマイナスのはずが、プラチナは堅調。その結果ランド建てのプラチナは大きく上昇しています。プラチナ鉱山会社にとってはちょっとよい状況ではあります。

北朝鮮はClear and present danger

2017年8月9日(水)掲載分より

 アジアは非常に静かでしたが、欧米はおそらく薄いマーケットの中、結構な値幅がありました。
 NYオープニングで1,265ドルまで上昇。その後ドルの上昇を受けて1251ドルまで下落。しかしワシントン・ポスト紙の北朝鮮の核兵器製造成功の分析記事とトランプ大統領が北朝鮮に対して強い言葉で警告したことから、VIX指数(ボラティリティ・インデックス)が久しぶりに上昇、株価も下げたことを受けてゴールドは再び上昇、NY引けは1,261ドルとなりました。夏枯れは夏枯れですが、やはり北朝鮮情勢だけは、慣れて流してしまってはいけない 「 Clear and present danger(今そこにある危機)」であることを常に意識しておくべきですね。

Summer Doldrums 動きません

2017年8月8日(火)掲載分より

非常に静かな一日で、ほぼ動きがない一日でした。まさに夏休みという感じです。ゴールドシルバーは昨日とほぼ変わらず。PGM(プラチナ・グループ・メタル)は両方ともしっかりでプラチナ30円、パラジウム38円くらいの上げとなりました。今日はもっともっと静かそうですね。8月は休みましょう。世界中そうなんだから。下のドルインデックスやドル円とゴールドのチャートを見ても金輪際動かないような気がします(笑)。