18年8月通期決算はおおむね堅調、今後も買収などで規模拡大へ

現地コード 銘柄名
01317

碧桂園控股

(カントリー・ガーデン)

株価 情報種類
 3.61HKD
(11/28現在)
 株価
 企業情報
 チャート

 中国楓葉教育の18年8月本決算は、売上高や粗利益率が予想を下押しする半面、販売費及び一般管理費(SG&A)や実効税率、利益などが予想を上振れ、各指標がまちまちの結果となった。期末の生徒数は前年同期比28.3%増。ただ、施設稼働率は64.7%であり、これを引き上げようとする戦略が粗利益率を悪化させた。BOCIは売上高が予想を下押ししたことを受け、19年度の売上高および純利益見通しを減額修正したが、20年度に関しては現行予想を据え置いた。19年度予想PER22倍をあてはめて目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 18年度の売上高、純利益はそれぞれ前年比23.8%増、30.1%増。売上高が市場コンセンサス予想を4.7%下回る一方、純利益は5.3%上振れた。為替差益や投資再評価損益、政府補助金、株式報酬などの非経常項目を除外した調整後純利益は同40.2%増だった。売上高と粗利益率(前年を3.3ポイント下回る46.5%)が予想をやや下回ったのは、業務構成の変化によるもの。相対的に利幅の大きい高校部門の売上比率の縮小が影響した(利益率は高校が最も高く、以下、小学校、中学、幼稚園の順)。幼稚園や小学校の児童数を増やすことで、将来的に向けた「ピラミッド型構造」を構築しようとする同社戦略は、今後も粗利益率をある程度低下させる可能性がある。

 18年8月時点で、生徒数は前年比28.3%増の3万3478人。その後、8月に買収した湖北省襄陽市の幼稚園7カ所の園児数約2000人を含め、10月には3万6564人を数えた。一方、新学期の18年9月には、前年に据え置いた8都市で、授業料の20-25%の引き上げを実施した。平均授業料の上昇率は高校が前年比13%、幼稚園が14.5%で、その他部門はほぼ横ばい。高校、中学、小学校、幼稚園の学費がそれぞれ平均5万9123元、3万866元、2万1217元、1万5453元に達した。また、施設稼働率は8月に64.7%。今後3年間は稼働率の引き上げにより、自律成長を確保することが可能となる。

 一方、18年9月から3都市の学校が連結化された。湖北省襄陽市の幼稚園7カ所と、江蘇省塩城市の中高、湖北省武漢に自前で創設した幼稚園がこれに含まれる。20年にも新設校1校が開校する予定。同社はさらに、今後も随時、買収に動く可能性がある。

 BOCIは18年度決算を受けて収益見通しを下方修正したが、それでも修正後の19年度、20年度の予想増益率は前年比24%、20%。18-21年度に年率平均20%超の利益成長を見込む。19年予想PER22倍をあてはめ(25倍から下方修正)、目標株価を引き下げつつ一段の上値余地を指摘。株価の先行きに強気見通しを継続した。同社が手掛けるK12課程(中国では通常、小学校-高校までの基礎教育課程を指す)のバイリンガル教育のニーズが急速に拡大中とみて、K12教育銘柄への投資においては同社が最良の選択肢になり得るとした。潜在リスク要因としては政策変更と全体相場の調整を挙げている。