人気ブログ「すぽさん投資ぶろぐ」を運営する、すぽさんインタビュー後編をお送りします。今回は売買のタイミングや、すぽさんが個別株投資にこだわる理由について伺いました。
株価が2倍になったら半分売る
──いつどんなときに売るか。これは誰しも悩むところですが、すぽさんはどうされているんですか。
僕の場合、一応、目安のようなものを設けています。
「よっぽどのことがない限り2倍になるまで待つ」
「2倍になったら半分売る」
というやり方です。株をやっている人なら分かると思うのですが、ジワジワと株価が上がっていくと、早く売りたいという気持ちになるんです。いつか突然、暴落するんじゃないか、その前に売るべきではないかと。要するに勝ちを確定させたいわけです。そういう気持ちを押さえつけるため、「2倍になるまでは我慢しよう」と決めています。
──我慢できるんですか(笑)。
まあ、なんとか。多少は「売りたい」という気持ちと闘いますが(笑)。
──では、2倍になったら半分売るというのは?
これは邱永漢さんの教えなんです。2倍になった時点で半分売ればもうマイナスはないですよね。ひとまず元本を確保したことになります。一方で、そこからさらに3倍、4倍、5倍と上昇しても利益を取り逃すことはない。もちろん、半分売らなければ利益は2倍になるわけですが、そこはもう割り切るようにしています。
──2倍になったら機械的に半分売るという感じですか。
いえ、そうではありません。例えばPERが変わらないのに株価が2倍になることもあるわけです。この場合はまだ割安といえるので、売らずに保有し続けます。その会社の業績などを総合的に判断して決めるということです。
──売るタイミングを見誤って後悔したことはありませんか。
後悔したことがない人なんていないと思いますよ(笑)。
──では、2倍になるという自信があったのにマイナスで終わったことは?
それももちろんあります。僕はかなり勝率がいいほうだと思いますが、それでもやっぱり失敗はあります。実際、今年はエムケイシステムという銘柄で大きな損失を被りましたし。アフタービジネス型で着実な成長が見込めるビジネスモデルを持った会社だったのですが、商品の技術提供を受けていた会社へのライセンス料の過少申告が発覚し、過去数年の決算修正があったこと。さらにその後の四半期決算で、買収した会社が想定外の大幅赤字を出し下方修正、というダブルパンチで株価は大きく下落しました。
──そういうリスクを回避するために工夫していることはありますか。
一つの銘柄に集中させず、複数保有することでしょうね。僕の場合、いつも5~10銘柄くらい保有するようにしています。
優良銘柄を見つけるのは難しいことではない
──ここ数年、インデックス投資が人気を集めています。トウシルでもインデックス派のブロガーの方に出ていただくことが多いのですが、すぽさんは投資を始めてから一貫して個別株投資を続けています。やはりこだわりがあるのですか。
インデックス投資を否定するつもりはさらさらありません。インデックス投資って、簡単に言えば平均値を狙うやり方ですよね。長い目で見れば世界経済は発展し続けるし、株価も緩やかに上昇していく。この前提にのっとれば平均値を狙うのは確実な方法だし、とても理にかなっていると思います。
──でも、そこに乗りたくない?
要するに僕は、平均を上回るリターンを得られる銘柄を見つけるのは、そんなに難しいことではないと思っているんです。本気で見つけようとすれば見つけられるはずだと。だったら、平均値で満足するのはもったいないじゃないですか。どうせなら、平均を上回るようなパフォーマンスを目指してみようと、そういうことです。
──誰にでも見つけられますか。
もちろん、ある程度勉強は必要です。でも、やるべきことをやりさえすれば可能だと思いますよ。
──実祭、すぽさんは優良銘柄をいくつも探し当て、5年4カ月で10倍にまで増やされたるわけですからね。
そう言ってもらえるとうれしいですが、インデックス派の方々には「たまたまだろう」とか「ラッキーが重なっただけだろう」とかよく言われるんです。ラッキーではないと思っているのですが分かってもらいにくい。投資に対するスタンスがまるで違いますから、話してもなかなかかみ合わないかもしれません(笑)。
企業経営について幅広く学ぶこと
──では、最後に投資を始めようと思っている人にメッセージをいただけますか。
とにかくまずは買ってみてください、と言いたいですね。もちろん投資信託ではなく、個別株を。
──初めて買うなら、どういう銘柄がいいのでしょう?
自分がよく行く店の株とか、好きなブランドの株とか、何でもいいと思います。僕は最初、株主優待目当てでシダックスを買いましたけど、優待狙いも悪くないと思いますよ。もちろん、配当利回りのいい大型株なんかもいいでしょう。
──せめてIR資料くらいは読んだほうがいいですか。
いや、無理して読む必要はないと思います。ただ、実際に株を持つと株価の動向が気になりますからね。なぜ今月に入って上がったんだろうかとか、これがいつまで続くんだろうかとか、いろいろ考えるようになるはずです。だから、たぶん自然と勉強するようになると思います。実際に買ってみないと分からないこともいろいろありますしね。
──ほかに何かアドバイスはありますか。
株式投資の入門書などを見ると、損益計算書の読み方とか、財務分析の仕方とか書かれていますよね。もちろん、そうした知識を身につけることは大事です。ただ、僕は経営戦略とか事業戦略とかマーケティングとか、もっと広く学ぶことをお勧めします。
実際、僕の場合、前回話したように投資を始める前から企業経営に興味があり、いろんな本を読んでいたのですが、それがかなり役立ちました。いろいろな知識があると視野も広がりますから絶対的な強みになると思います。
──たしかにおっしゃる通りだと思います。ありがとうございました。
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