先週の結果

先週は、NYダウが週前半大きく下げるものの、日経平均の下値はしっかりした動き

 先週の日経平均株価は、終値ベース2万1,500円を守りましたが、ザラ場では大きな値動きとなり、上値は19日(月)の2万1,852円、下値は21日(水)の2万1,243円となりました。この理由は、20日(火)の米国株式がアップルの下落を背景にNYダウが一時▲648ドルの2万4,368ドルまで急落したためですが、日経平均は、すぐに2万1,500円台を回復し底堅い動きとなりました。

 19日(月)は、朝方は弱含んで始まったものの、米中通商問題進展への期待が高まり、日本市場では先物主導で上昇し、一時+172円の2万1,852円となり、終値は+140円の2万1,821円でした。しかし、引け後の米国市場は、APEC(アジア太平洋経済協力会議)で米中対立が激化。貿易摩擦懸念が高まり、NYダウは一時▲512ドル下げ、終値で▲395ドルの2万5,017ドルとなりました。

 20日(火)の日本市場は、▲238円の2万1,582円で寄り付き、▲294円の2万1,526円まで下落。しかし、2万1,500円を守り▲238円の2万1,583円で引けました。日銀のETF(上場投資信託)買い期待で下げ渋りましたが戻りは限定的でした世界的な景気減速懸念を背景にアップルなど半導体関連株の下落が大きく、NYダウは一時▲648ドルの2万4,368ドルまで下げ、終値は▲551ドルの2万4,465ドルとなり昨年来水準を下回りました。

 21日(水)の日本市場は、▲296円の2万1,286円で寄り付き▲339円まで下げるものの、下げ幅縮小の流れとなり、終値は▲75円の2万1,507円でした。ドル/円が弱含み、時間外での米国株先物が堅調となり、上海株式もしっかりしていたことがこの背景にあります。
22日(木)は、前日の米国株式は、おおむね堅調だったことで+74円の2万1,582円で寄り付き、いったんマイナスに転じる場面があったものの、3連休を前にポジション調整の買いが入って+139円の2万1,646円で引けました。

 23日(金)の米国市場は、感謝祭の翌日のため午後1時までの短縮営業でした。アップルなどのハイテク関連株が軒並み下落し、原油先物が大きく下落したことでエネルギー株も大きく下落。NYダウは▲178ドルの2万4,285ドルと4日続落となりました。シカゴの日経先物は▲220円の2万1,480円でした。

 

今週の予想

今週は、様子見で2万1,000~2万2,000円の中で2万1,500円をはさんだもみ合いを想定

 今週は、アルゼンチンで11月30日~12月1日まで20カ国首脳会合が開催されますが、これに合わせて二国間のトップ会談も数多く実施される見通しです。この中で米中首脳会談が注目され、米中貿易問題をめぐる対立が世界経済の減速懸念となっているため、会談の内容によっては日米の株価の動きに影響を与えることになります。そのため今週は様子見ムード強く、先週の流れから想定すれば2万1,000~2万2,000円の中で2万1,500円をはさんだもみ合いが想定されます。

 テクニカル的には、25日移動平均線も2万2,000円を割り込んでおり、11月13日に2万1,810円で売り転換のシグナルが出ています。目先の反発ポイントを探すとすれば、まずは11月21日の安値2万1,243円に対する二番底、さらには、10月26日の2万971円に対する二番底を探す展開が想定されます。

 11月26日(月)は、先週末のNYダウが4日続落。シカゴ日経先物の▲220円の2万1,480円となっていたことで、弱く始まるとみていまいたが、結果的には、+1円の2万1,647円で寄り付き、先物買いをきっかけに上昇となりました。

 その要因としては大阪万博の決定で関連株が買われ、対ドルで円が弱含み、時間外で米株価先物が堅調だったことで、前場は+169円の2万1,815円で引けました。後場になっても高値圏でしっかりした動きが続き、終盤には+191円の2万1,838円まで上昇し、終値は+165円の2万1,812円で引けました。11月26日は大きく上昇しましたが、出来高・売買代金は大きくなく、米中首脳会談が通過するまでは、さらに大きな上昇にはなりにくいと思われます。

 

(指標)日経平均

 今週は、11月30日~12月1日にアルゼンチンでG20首脳会談が開催され、これに合わせて米中の首脳会談も予定されていますが、貿易問題をめぐって対立している状況に改善の糸口が見つかるのか注目です。この状況に株式市場は神経質な動きとなりそうです。2万1,500円をはさんだもみ合いが想定されます。

 チャートでみると11月8日に2万2,583円の戻り高値をつけたあと、11月13日に2万1,810円で売り転換しており、11月21日に2万1,243円まで下げて反発してもみあっているところです。底打ちの形としては短期的には11月21日の2万1,243円に対する二番底の形か、それとも10月26日の2万971円に対する二番底の形のどちらかをつくって反発に転じそうに思われます。

 

(指標)NYダウ

 今週は、11月30日からのG20首脳会議 に合わせて実施される予定の米中首脳会議で米中貿易摩擦の解消が進むのかどうかの思惑から様子見ムードが強まることになりそうです。チャートは目先の上昇トレンド(C)を少し切っていますが2万4,000ドルは強力な下値ゾーンであり、年末商戦をきっかけに反発へ向かうことを期待するところです。

 

(指標)ドル/円

 今週も、FRB(米連邦準備制度理事会)の当局者によるハト派的な見解が目立ち、利上げペースの減速が意識されています。そのため12月利上げの確率は低下しており、ドルは上げ渋りやすいといます。さらに週末の米中首脳会談で貿易摩擦が解消方向に進まなければ、ドル買いには入りにくいといえます。1ドル=112~114円のレンジ内の動きが続きそうです。