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米連邦準備制度理事会(FRB)は、商業銀行の融資担当責任者を対象に、銀行の『融資基準』や借手の資金需要の動向に関するヒアリング調査を四半期ごとに実施しています。人間に例えれば血液に相当する資金が、経済の中を正常に循環しているかどうかを確認するのが目的です。直近の調査は2018年10月1日から12日にかけて実施されました。それによれば、商業銀行は引き続き緩和的な融資スタンスをとっているようです。
【ポイント1】『融資基準』は引き続き緩和的
企業向けと住宅ローンは緩和、商業用不動産等は強化
直近の調査結果によれば、「『融資基準』を強化」との回答比率から「『融資基準』を緩和」との回答比率を差し引いた融資基準総合DI(※)は▲7.7となりました。17年7ー9月期以来6四半期連続のマイナスです。DIがマイナスということは、 『融資基準』を厳しくした銀行よりも緩めた銀行の方が多かったことを意味します。
融資先別に見ると、基準が緩和されたのは商工業向け貸付や住宅ローン、クレジットカード、強化されたのは商業用不動産と自動車ローンでした。
【ポイント2】商業銀行からの借入需要は低調
内部留保の拡大により企業の銀行依存度は低下しているもよう
一方、資金需要総合DI (※)は▲13.2と、8四半期連続のマイナス、しかもマイナスの幅が同期間のなかで最大となりました。商業銀行から資金を借り入れる需要が急速に減退したことを示しています。
商工業向け融資については、顧客企業の内部留保増加等が需要減の理由に挙げられました。どうやら、米国の企業は設備投資等に必要な資金の多くを、内部留保の取り崩しや社債の発行等で調達しているようです。
【今後の展開】『融資基準』は堅調なペースでの経済成長を示唆
FRBは利上げを進めていますが、米商業銀行の『融資基準』調査は金融環境が依然として緩和的であることを示唆しています。景気に負荷をかけ過ぎないよう、FRBが緩やかなペースで利上げを進めているためと考えられます。
融資基準総合DIと、前年比で測った実質GDP成長率の間の相関関係から推計すると、19年前半にかけて米国の実質経済成長率は前年比で+2%~+3%程度と、堅調なペースでの拡大が見込まれます。
※融資基準総合DI、資金需要総合DIは、商工業、商業用不動産、住宅、消費者向け融資の各融資基準DIおよび資金需要DIを、融資量全体に占める各融資量の割合をもとに加重平均した指数で、三井住友アセットマネジメントが算出しました。
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