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自動運転や電動化といった次世代技術開発を巡るM&A(合併・買収)など再編の動きは欧米の『自動車部品』大手企業が先行していました。しかし、ここにきて国内の『自動車部品』企業もそうした動きが活発になってきました。次世代自動車開発を巡る競争は、国境や業種の垣根を越えた企業連合の総力戦の様相を呈しています。国内の『自動車部品』企業の再編もこれからが本番とみられ、今後の動向が注目されます。
【ポイント1】国内の『自動車部品』企業の再編が活発化
次世代技術開発が進む中、生き残りへの強い危機感が背景
自動運転や電動化といった次世代技術開発を巡るM&Aなど再編への取り組みは、欧米の『自動車部品』大手企業が先行していましたが、国内の『自動車部品』企業もここにきて動きが活発になってきました。
この背景には、次世代技術の研究開発に多額の資金や多様な技術を要することがあります。また、電気自動車では不要となるエンジンや排気関連の『自動車部品』企業の生き残りへの強い危機感があります。
【ポイント2】カルソニックカンセイは大型買収
日立製作所は『自動車部品』子会社を売却
10月22日、『自動車部品』大手のカルソニックカンセイは、欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の『自動車部品』部門のマニエッティ・マレリの買収を発表しました。買収金額は約8,000億円の大型買収となりました。同社は日産自動車の系列解消に伴い米投資ファンドの傘下に入りました。エンジン回りの部品が中心でしたが、次世代製品の開発に力を入れてきました。今回の統合により、『自動車部品』の総合企業として生き残りを目指します。
10月26日には、日立製作所がカーナビゲーションシステムなどを手がける『自動車部品』子会社のクラリオンを、仏『自動車部品』大手のフォルシアに売却すると発表しました。同システムは競争が激化しておりクラリオンを売却することで、日立製作所は重点分野の自動車事業において自動運転の制御などの分野に集中する方針です。
【今後の展開】『自動車部品』企業の再編の動向が注目される
トヨタ自動車とソフトバンクグループは10月4日に、自動運転など移動サービスで戦略的提携に合意しました。このような提携にみられるように、次世代自動車開発は、国境や業種の垣根を越えた企業連合の総力戦となっています。こうした状況の中で『自動車部品』企業の再編は、これからが本番とみられ動向が注目されます。
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