新特区「雄安新区」の恩恵は短期的には限定的、業務統計の好調が支援材料に

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00956 新天緑色能源 (チャイナ・サンティン・グリーンエナジー)  1.61 HKD
(04/07現在)
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新天緑色能源は4月6日にカンファレンスコールを行い、「雄安新区」創設計画(河北省保定市の雄県、容城県、安新県にまたがる地域に新たな特区を建設する中国の国家事業)による影響を含め、最新情報を共有した。BOCIは「雄安新区」に関して、短期的な影響は限定的としながらも、2017年1-3月期の力強い業務統計が同社株価の支援材料になるとの見方。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

1-3月期業務統計では、天然ガス販売量は前年同期比40%増の5億立方メートル。17年の販売目標「前年比20%増」(卸売り10%増、小売り40%増)の達成に向け、好スタートを切った。河北省沙河市のガラスメーカー各社が天然ガス利用を再開したことや、小売り販売の好調が背景。小売り販売は利幅が1立方メートル当たり0.05元と極めて低く、利益貢献は限定的だが、ガス販売の復調自体、経営陣が目指す未収金の回収にプラスに働く可能性が高い。なお、同社は17年中に、地方政府やその他取引先から、売掛金1億4000万元以上を回収する方針(16年は8億5000万元)。ファンダメンタルズ改善と会計方針の変更で、17年には前年同様、減損損失計上は起こり得ないとした。

一方、風力発電部門では、1-3月の発電量が前年同期比50%増の1700GWhに達した。新規設備の稼働や前年同期実績の低さが大幅増を支えた要因であり、稼働時間数は5%減だった。経営陣は風力発電の17年の稼働時間数について2050時間との見通しを据え置き(16年は2195時間)、新規の設備導入については400-500MWとの計画を明らかにしている。BOCIは地元河北省が稼働時間数を保証している数少ない省の一つであることなどから、稼働時間の下振れリスクは限られるとの見方。同社の17年決算について前年比20%の増益を予測し、風力発電部門の成長が寄与するとみている。

同社は再生可能エネルギー向けグリーン永久債を最大15億元規模で発行する計画について、このほど中国証券監督管理委員会(CSRC)の認可を得た。17年には実質利率4.0-4.5%で10億元規模の起債を行う予定。総額68億元に上る設備投資計画のうち、17億元分を起債でまかなう方針という。これにより、同社の資産負債比率は17年も、上限規定の75%以下に収まる見通しとなった(現在69%)

同社は保定市に、3つの天然ガス輸送ラインを保有。17年下期には、注目の「雄安新区」をカバーする新たな大型輸送ラインをめぐって認可を獲得する見込み。ただ、今5カ年のガス開発計画に含まれるこのラインの建設には4-5年を要するとみられ、BOCIは短期的な利益へのインパクトは限定的としている。

BOCIがSOTP方式に基づいて設定した新たな目標株価は17年予想PERで9.5倍、予想PBR(株価純資産倍率)で0.7倍の水準。ROE(株主資本利益率) が17年に8.2%に回復する見通しから、BOCIはこの目標水準を適正としている。

 

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