18年通期決算は予想上振れか、規制強化も自律成長持続へ

現地コード 銘柄名
01317

中国楓葉教育

(チャイナ・メイプルリーフ・エデュケーショナル・システムズ)

株価 情報種類
 4.19HKD
(11/6現在)
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 11月28日に発表予定の中国楓葉教育の18年8月本決算について、BOCIは自社予想から小幅に上振れるとみている。また、18年9月に始まった新学期の生徒数は前年同期比30.1%増。教育セクターでは政府当局の規制強化策に対して警戒感が高まっているが、仮に新規制が足かせとなったとしても、同社は自律成長を維持できる見通しという。BOCIはインターナショナル・スクールに対する旺盛な需要を指摘。K12(中国では通常、小学校-高校までの基礎教育課程を指す)教育分野のマーケットリーダーとして同社を高く評価し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 中国では大都市部(1線都市)のK12課程の学校経営会社はほぼすべて未公開企業であり、同社はこの分野の有力企業であると同時に、インターナショナル・スクールの経営会社としては唯一の上場企業。2線・3線都市において存在感が大きく、その学費は中産階級の親がほぼ負担可能なレベルにある。18年9月に始まった新学期の生徒数は前年同期比30.1%増の3万6,564人。この数字は8月に買収した幼稚園7カ所の園児数1,500人を含む。

 本土の教育銘柄にとっては、政府当局が8月に公表した「民弁教育促進法実施条例」改正草案(民促法)に記された規制強化策が大きな打撃となったが、BOCIはマーケットが民促法を曲解しているとの見方だ。この草案について、市場は「K12教育銘柄に及ぼすマイナス影響が私立大学経営銘柄より大きい」と受け止めているが、BOCIはK9(小学校・中学校)課程の私立学校はクラスを増設することにより、自律成長が可能との見方。新規定の施行により、この先、買収を通じた規模拡大が難しくなったとしても、長期的に自律成長を維持できる見通しを示した。同社のようなK9課程におけるバイリンガル教育は、極めて競争力が高いとしている。

 BOCIは同社の利益見通しを据え置きながらも、18年8月通期利益が予想を上回る可能性を指摘している。同社の現在株価の19年予想PERはわずか16.2倍。18-20年度の利益成長率が年平均21.9%に達する見通しを考慮すれば、引き続き魅力的な水準にあるとした。また、K12教育課程をリードする有力銘柄として高く評価し、教育銘柄の買いを検討している投資家に対しては、同社を推奨。株価の先行きに対して強気見通しを継続した。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、全体相場を取り巻くリスクの増大を挙げている。