先週の結果

先週は、2万2,000円水準を下値、2万2,600円水準を上値に大きなもみあい続く

 先週の米国市場は、イベント通過で不透明感がなくなったことを好感。さらにトランプ大統領がインフラ投資で民主党と協調すると表明したことで、+545ドルの2万6,180ドルと大幅続伸しました。

 日経平均株価は、週半ばまでは大きな上下動となっていましたが、これを受けて8日(木)の前場は+497円の2万2,583円まで上昇。後場は高値圏での推移となって+401円の2万2,486円で引けました。翌日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、政策金利は予想通り据え置きでしたが、緩やかな利上げ継続が示され金利先高感が強まり、1ドル=114円に乗せました。しかし、日経平均は▲236円の2万2,250円と下落して引けました。

 11月5日(月)は、前週高まっていた日米貿易交渉合意期待が週末に後退し、長期金利の上昇を背景に、上海株式の軟調さもあり、日経平均は下落。▲344円の2万1,898円で引けました。

 6日(火)は、前日の大幅反落とNYダウの上昇で+119円の2万2,018円で始まり、後場はトヨタの好決算を受けて一段高へ。+248円の2万2,147円と大幅反発しました。

 7日(水)は、前日の米国市場で3指標そろって上昇したことを好感し、前場は+41円の2万2,189円まで上昇。一時+296円の2万2,444円まで上昇するものの、後場になると売り先行となって上げ幅を縮小して始まり、マイナスに転じて▲61円の2万2,085円と反落しました。

 8日(木)は、米中間選挙の結果は、民主党が下院過半数となりましたが、イベント通過で不透明感がなくなったことを好感。+545ドルの2万6,180ドルと10月9日以来、1カ月ぶりの2万6,000ドル台回復となりました。 

 9日(金)は前日の大幅反発の反動で売り先行で始まりました。小幅高に転じる場面あったものの、この日は持ち高調整の売りがあり、一時▲260円の2万2,226円まで下落。終値は▲236円の2万2,250円で引けました。11月SQ値は2万2,469円で、終値はSQ値を大きく下回って引けています。このため、今週はもみあって値固めが想定されます。

 米国市場は、中国の経済指標が悪化したことで、中国経済の減速懸念が上昇。原油相場の続落という重しに加えアップルの下落を受け、NYダウは一時300ドルを超す下落。終値では▲201ドルの2万5,989ドルと5日ぶりの反落となりました。
 シカゴの日経先物は、為替が一時、1ドル=114.09円まであり、引け値は113.85円の円安であったにもかかわらず、NYダウの下げに反応し、▲145円の2万2,125円でした。

 

今週の予想

今週は、2万2,500円水準を上値にもみあいへ

 今週も、米国での経済指標の発表と、それに連動する為替の動きを見ながら、日経平均は動くことになりそうです。米国では14日に10月消費者物価指数、15日に10月小売売上高と経済指標が相次ぎます。結果が好調で、素直にNYダウが連動すれば、日経平均も上昇する可能性があります。しかし、経済指標の良さが長期金利を大きく上昇させると、リスク回避のドル売りとなります。円安が進まずNYダウが下げる形となれば、日経平均も一服感が続くことになります。

 また、先週の米中間選挙で不透明さが目先なくなったといっても、再び、米中貿易摩擦の不安が再浮上する可能性は高く、日経平均は一方的に上昇する形とならないと思われます。

 テクニカルチャートも強気と弱気が交錯しており、2万2,600円を上に抜けなければ、本格的反転には入りにくいといえます。2万2,500~2万2,600円水準までは累積価格帯出来高が膨らんでおり、大きな好材料が出ない限り戻り売りが続くことになるからです。

 

(指標)日経平均

 今週も米国の経済指標と為替の動きをみながらの日経平均の動きとなりそうです。テクニカルチャートは、強気、弱気が交錯(例えば11月8日には25日移動平均線、75日移動平均線、200日移動平均線を回復するが翌日には再び割り込むなど)しており、本格的な反転はチャートを見てみると2万2,600円水準を突破する必要があります。2万2,500円水準は過去のチャートをみると累積価格出来高が膨らんでおり、大きな材料がなければ戻り売りが続くことになります。2万2,000~2万2,600円が基本レンジといえます。

 

(指標)NYダウ

 今週は、先週に中間選挙を通過したことで不透明感がなくなり、いったん上昇しました。しかし、米中貿易摩擦は継続しています。FOMCでは足元の景気の好調さが確認され、これは株高要因であったものの、長期金利が再び3.2%を突破して株売り要因に転換する可能性もあります。例えば、経済指標(14日に10月消費者物価指数、15日に10月小売売上高と経済指標など)を見極めて、12月利上げへの期待が高まれば、株価の上値を重くすることになります。2万6,000ドル水準をはさんだもみあいとなりそうです。

 

(指標)ドル/円

 先週末は、9日の10月生産者物価指数が予想を上回り、長期金利が上昇。株価は下落となりました。今週は14日に10月消費者物価指数が上昇する可能性があり、そうなるとインフレ期待で利上げ継続を期待した買いが入り、ドル買いが入りやすいといえます。ただ、1ドル=114円は上値抵抗の水準であり、ここを突破してくるようだと株式が売られ、ドルも売られやすくなります。12月利上げを期待したドル買いと長期金利上昇を嫌気した株売りとぶつかりあってドルは114円水準をはさんだもみあいとなりそうです。112.5~114.5円のレンジの中でのもみあいが想定されます。