18年7-9月期のコア減益、元安圧力も長期見通しを楽観
現地コード | 銘柄名 |
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01055 |
中国南方航空 (チャイナ・サザン・エアラインズ) |
株価 | 情報種類 |
4.24HKD (11/1現在) |
株価 企業情報 チャート |
中国南方航空の18年7-9月期決算では、座席供給量を示すASK(有効座席キロ:座席数×飛行距離)の伸びが前年同期比12.2%に達し、主な同業銘柄を上回った。国内線、国際線のASKがそれぞれ11.0%増、14.5%増。さらに旅客イールド(1座席を1km運航した際に得られる売上高)が同3%上向き、売上高は15.4%増加した。また、北海ブレント原油価格が前年同期を45%上回ったにもかかわらず、粗利益の減少幅はわずか5.6%だった。ただ、その一方で、元安に伴う為替差損の増大が打撃となり、同期純利益は52.4%の大幅減。為替変動要因を除いた調整後純利益も14.3%減の32億2,900万元にとどまった。BOCIはそれでも、座席供給量が増加する中、旅客部門のロードファクター(有償座席利用率)が高水準を維持したことに目を向け、旺盛な旅客輸送需要を指摘。業界全体の供給ひっ迫感と需要増を理由に、旅客イールドが引き続き緩やかに上向く見通しを示した。7-9月のコア利益の落ち込みを理由に、同社A株、H株の目標株価を引き下げながらも、現在株価の低バリュエーションに言及し、AH株の先行きに対して長期の強気見通しを継続している。
18年1-9月期をみると、売上高は前年同期比13.3%増。ASKは12.1%増と、3大キャリアの中で最も高い伸びを示した。旅客ロードファクターは0.5ポイント高い82.8%。また、7-9月期では、有償旅客の輸送距離を示すRPK(有償旅客キロ)当たりのイールドが、国内線、国際線でそれぞれ4.0%、1.4%増加。同社全体のRPK当たりイールドは3.3%の伸びだった。
BOCIによると、同社はこの冬春シーズンに、61路線の運賃を値上げする可能性があり、この数字は昨シーズン(夏秋)の52路線を上回る。一方、19年のASKについて、経営陣は前年比14%増を見込む(内訳は国際線が10%増、国際線が18~20%増)。BOCIは運賃値上げを予想しながらも、ASKの拡大により、イールドは緩やかな伸びにとどまるとみている。
BOCIは7-9月期のコア利益の落ち込みについてやや失望したとし、今後も元安トレンドが同社の採算性に影響する可能性を指摘している。ただ、その一方で、最近の調整を受け、同社の現在株価はマイナス要因をほぼ反映したとの見方。19年予想PBR(株価純資産倍率)0.9倍をあてはめ、H株の目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して長期の強気見通しを示した。
また、AH価格差をベースに、A株目標株価も引き下げたが、H株と同様、長期視点の強気見通しを継続している。
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