2009(平成21)年11月6日

ドバイ・ショック、世界の金融市場が再度混乱

 2009(平成21)年11月6日、中東のUAE(アラブ首長国連邦)のドバイ政府系投資会社「ドバイ・ワールド」が債務の返済繰り延べを要請。これを機に世界的な株価下落とユーロ安が発生しました。前年の米リーマン・ショックに続いて世界の金融市場は再び緊張と混乱に包まれました。日本ではドバイのインフラ整備事業を受注していた大手ゼネコンが影響を受けるのではと懸念され、大手ゼネコン株が一時急落するなどの影響がありました。

 ドバイ・ワールドが返済時期の先延ばしを求めたのは590億ドル(約6兆5,000億円)。資金繰り不安とは無縁と考えられていた中東政府系企業の返済繰り延べ要請に、世界の投資家が驚きました。

 ドバイは中東の経済拠点ですが、大産油国と違って貿易やリゾートなどで経済発展を遂げていました。しかし、前年のリーマン・ショック以降、投資資金の引き揚げが相次いでドバイの景気は急激に悪化。ドバイに投融資していた欧州系の大手金融機関の経営悪化が懸念され、世界的に株価下落が進むとともに、外国為替市場では円高・ユーロ安が急加速しました。その後、UAE中央銀行の資金援助を決めると混乱は収束に向かいました。

 

2009年11月6日の日経平均株価終値は

9,808円99銭