※このインタビューは2018/11/07に公開した記事となります。

 人気ブログ『投資家テスタの投資日記─目指せ利益30億円』を運営する、凄腕デイトレーダー、テスタさんインタビューの後編をお届けします。今回はデイトレーダーになるための条件や資質、さらに最近力を注いでいるという中長期取引についてもうかがいました。

 

デイトレードは少額資金で始めよう

──ここまでいろんなお話をうかがいましたが、一つ疑問が残ります。いったいなぜテスタさんはこんなに勝てるんですか(笑)。

 いや、僕に言われても(笑)。ただ、一つ言えるのは2005年に始めたときから、勝ち方というより、“どうしたら負けないで済むか”を、毎日ひたすら考えてきたということです。前回、月に15日くらいしか取引しないと話しましたが、やってみたいと思う銘柄が見つからないときも、ぼーっとしたり出掛けたりしているわけではありません。そんな日もパソコンの前に座ってチャートや板を監視し、データを取ったりしています。そういう日々の積み重ねが好成績につながっているのではないでしょうか。

──テスタさんは投資を始める前、ゲームが大好きだったそうですね。ゲームで培ったものがデイトレードに生かされているとか?

テスタさんにとって株=心理戦。「株を買う人がいるとすれば、売りたい人が必ずいる。僕は買いたいけれど、その人は売りたい。なぜ売りたいのか、その心理を分析すればその後の展開の予測も可能です」

 格闘ゲームをよくやっていたのですが、あれは心理戦なんです。相手のクセを見抜き、「次はこう動きそうだからこっちは先手を取ってこうしよう」などと考えるわけです。そのあたりはデイトレードにも共通するので、ある程度は生かされているかもしれません。

──デイトレードも売買に参加している人たちの心理を読むことが大事なわけですね。

 それが最も重要といっても過言ではないでしょう。僕自身、人の心理や群集の心理についてかなり研究しました。

──では、どんな人がデイトレーダーに向いていると思いますか。

 その気があるなら誰でもなれると思います。

──一般には決断力や判断力、集中力、メンタルの強さ、あと体力や運動神経も必要といわれますが。

 もちろん、それらはすべて大事でしょう。

──資金はどれくらいあればいいんでしょう?

 信用取引を始めるには委託保証金を口座に預けなければなりませんから、最低でも数十万円は必要ですが、それ以上の大金は必要ないと思いますよ。元手が多ければ勝てるかというと、そういうものではないですし。それに数十万円くらいなら、万が一、全額失っても「もう一度お金を貯めて再チャレンジしよう」と思えますよね。いきなり100万円、200万円つぎ込んで失敗したらそうはいきません。そういう意味では、むしろ少額資金で始めることをお勧めします。

──会社に勤めながら副業でデイトレードに挑戦する手もあると思いますが、これについてはどう思われますか。

 それはやめたほうがいいでしょう。たしかに市場が開いている平日に休みを取れる人ならできないことはありません。しかし、週1日か週2日しか参加できないと、大きなハンデになります。株って、前の日からの続き物なんですよ。その日の動きだけで判断するのでなく、「前日こんな動きをしたから、今日はこう動くだろう」などと考える必要がありますが、週1日や2日ではそれができない。とするとコンスタントに勝つのは難しいと思います。まあ、そういう意味では、月曜日から金曜日の9時から15時までの時間を自由に使えるというのが、デイトレーダーになる一番の条件かもしれません。

 

デイトレードから中長期取引にシフト中

──今後についておうかがいします。今は中長期取引も行っていて、そちらのほうが利益が大きいとのことですが、徐々に中長期取引にシフトしていくということですか。

 そうですね。10億円、20億円と資産が大きくなったため、デイトレードでは効率よく稼ぐのが難しくなってきましたから。

──というと?

 デイトレードだと動かせる金額に限りがあります。1億円使って3億円の信用取引をするくらいが限界で、それ以上は難しい。もっとつぎ込みたくても、そんな銘柄は存在しないんです。しかも、どんなにうまくいっても1億円を3倍、4倍に増やすことはできない。せいぜい1億か2億の利益しか狙えません。要するに億という単位で取引きするとなると、中長期トレードのほうが合理的なんです。

──デイトレードと中長期トレードでは銘柄の選び方も、売買のタイミングも、全く違うと思います。なのに中長期メインで、昨年と今年で15億円近い利益を上げられた。どうしてそんなことができるんですか。

 そうとう勉強もしましたが、昨年も今年もマーケットがよかったのが最大の勝因ですね。相場自体が悪かったらこんな数字は到底、無理だったと思います。

──実力だけではないと?

 それはそうです。少なくとも中長期取引に関しては、「自分の実力で稼いだ!」とはまったく思ってません。だから、来年どうなるかもわからない。2年で15億円近い利益を出したのだから、来年もいけるだろうとよく言われるのですが、そんな保証はまったくないんです。

──相場が悪くなったらマイナス収支に落ち込む可能性もある?

 十分あるでしょうね。そういう覚悟は常にあります。もちろん、大きなマイナスにはならないよう、最善の手を尽くしますが。

──最後に一つ、下世話な質問をさせてください。20億円もあれば一生贅沢できますよね。そろそろ引退してのんびり余生を過ごそうなどとは考えないのですか。

「負けないこと。最後に勝つこと」がテスタさんの投資哲学。これから始める人が心に刻みたい名言

 この十数年、毎月何百万、何千万円という利益を手にしてきたわけです。だから、来月も1カ月間頑張ったらまた資産が増えると思ってしまうんです。そうするとなかなかやめる気にはなれない。

──勝っている間はやめられない?

 そうですね。引退するのはたぶん負けたときでしょう。こっぴどくやられて心が折れたり、自分の能力に限界を感じたらやめるかもしれません(笑)。

 

デイトレーダーに広げたい、福祉の輪

──テスタさんは慈善活動にも積極的に取り組んでいますよね。

 保護者のいない、もしくは虐待などで保護を必要としている子供たちをサポートしたいという思いから、児童養護施設への寄付を考えました。それで、調べてみたら児童養護施設は全国に600余りしかなかったんです。そのくらいの数ならば全部できるな、子供たち全員に喜んでもらえるな、と、サッカーボールとバレーボール、ドッチボールをセットにして、それらすべての施設に送りました。

 ところが、「うちは敷地が狭いので、ボール遊びができない」など、相手側の事情に合わない場合もあったんです。だから、今は1カ所1カ所電話して、何がほしいかを確認してから送っています。

──何年か前に話題になった匿名でランドセルを贈る「タイガーマスク」みたいですね。

 実は僕も最初は名前を伏せていたんです。でも、途中からきちんと名乗ることにしました。というのは、この活動を投資家の間に広げたいんです。全国の投資家が積極的に参加してくれたら、より多くの子供たちが喜んでくれますし、なぜか日本ではちょっと悪いイメージに見られがちなトレーダーへの目も変わるかもしれません。「テスタがやっているならオレも寄付しよう」。そういう人が一人でも増えてくれることを願っています。

 

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