革新的な医療機器メーカー、左心耳オクルーダーで市場リードも

現地コード 銘柄名
01302

先健科技

(ライフテック・サイエンティフィック)

株価 情報種類
 1.80HKD
(10/25現在)
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 1999年に深セン市で創業した先健科技は、世界的な知的財産権を持つ革新的なインターベンション(心血管などへの介入治療)製品の開発会社であり、先天性心疾患治療用のオクルーダー(閉鎖栓)のサプライヤーとしては世界2位、大動脈修復デバイスのサプライヤーとしてはアジア太平洋地域で2位の座にある。さらに、世界の左心耳(LAA)オクルーダー市場に打って出ている唯一の中国企業。最近では、米メドトロニックの支援を受けて開発したペースメーカー「HeartTone」を国内市場に投入し、多国籍企業のシェアが90%を超えるこの市場で、初の国内プレイヤーとして名を上げた。BOCIはLAAオクルーダー「LAmbre」の販売増見通しに言及し、同社の売上高、純利益が17-20年に年率平均34%、20%の伸びを示すと予想。株価の先行きに対して強気見通しを付与するとともに、新規のカバレッジを開始した。

 中国で17年に行われたペースメーカー植え込み手術は約7万6,000件。これは人口100万人に対してわずか55人の割合となり、EUの「950人に55人」、米国の「1,000人に55人」を遥かに下回る。中国では現状、ペースメーカー市場の90%以上を多国籍企業が寡占しており、高額な輸入製品に手が届かない患者が多い。一方、先健科技の「HeartTone」は米メドトロニックの技術と品質基準を適用しているにもかかわらず、価格はメドトロニックの同種製品を30%ほど下回る水準。国産品を対象とした払い戻し制度も追い風となり、今後は輸入製品からの切り替えが進む可能性が高い。BOCIの保守的な予測では、HeartToneの販売個数、販売価格(末端価格ベース)のシェアは23年までに、それぞれ19%、15%に達する見通しという。

 一方、中国におけるLAAオクルーダーの挿入事例は16年の1,251件から、17年には2,214件に増加したが、欧州などと比べてまだ初期段階にある。先健科技が17年下期に発売したLAAオクルーダー「LAmbre」は、これまでのところ唯一認可を受けた国産品であり、BOCIはこの先、国内市場をリードする存在になり得るとの見方だ。中国の心房細動罹患者は約900万人を数え、毎年100万人のペースで増えているが、LAAオクルーダーは抗凝血剤に代わる、薬物以外の唯一の代替治療法。BOCIはLAmbreの売上高について、17年に2,100万元、20年には1億8,300万元を予想。年率平均107%の伸びを見込む。

 BOCIはDCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づき、目標株価を設定。同社株価の先行きに対して強気見通しを示した。一方、レーティング見直しにつながる可能性のある潜在リスク要因としては、医療機器部門の逆風となる政策が施行される可能性(たとえば価格政策の変更や省単位の入札方式など)、研究開発の失敗や新製品投入の遅れといった臨床・規制関連リスクを挙げている。