17年の利益見通しを上方修正、コスト削減と新製品投入がマイナス影響相殺へ
現地 |
銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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01044 |
恒安国際集団有限公司 |
60.65 HKD (8/3現在) |
BOCIは最新リポートで、恒安国際集団の売上高、利益率に対する見通しを上方修正した。パルプ価格の高騰を受け、同社利益率に関する市場予想は低めに抑えられているが、BOCIはこれが過度に保守的であるとの見方。コスト管理の強化や新製品投入によるプラス効果が、パルプ高によるマイナス影響を十二分にカバーするとみて、2017年、18年の予想純利益をそれぞれ6.5%、8.2%増額修正した。新たな予想値は市場コンセンサス予想を12%上回る水準にあるが、BOCIはこの先、市場予想の上方修正が進むとみている。また、これに伴い目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する従来の中立見通しを強気に引き上げている。
BOCIは17年12月通期決算に関して前年比6%の増収を予想。マーケティング効率の改善や新製品の貢献により、16年の同3%から増収ペースが加速するとみている。同社は低成長地域で営業部隊を強化しているが、そのプラス効果が7月にも顕在化し、下期以降の販売見通しの改善を後押しすると予想。また、新製品の発売やネット通販の伸びも売り上げ増に寄与する見通しを示した。ネット通販が売り上げ全体に占める割合は16年の1桁台半ばから、17年には1桁台後半に上向くとみている。
17年上期には低価格で仕入れたパルプ在庫の利用により、粗利益率が48.5%の高水準を維持するとみられるが(16年実績は48.8%)、下期にはパルプ調達コストが約15%増大する見込み。同コストは売上原価全体の3分の1を占め、調達価格が1%上昇するたびに、17年のEPSは0.7%目減りするという。ただ、効率的なコスト管理により、原材料価格の高騰をある程度カバーすることは可能。同社は物流ネットワークの合理化に向けて斬新な社員モチベーション向上システムを導入するとともに、第三者のコンサルタント会社を招聘済み。BOCIはマーケティングの効率化と人件費削減を理由に、経費の対収入比率が16年の27%から、17年には24.7%、18年には24.3%へ低減するとみている。
中国国内の紙製品市場は伸び悩んでおり、同社にとってもこの点は不利。ただ、BOCIは市場のフィードバックを迅速に把握し、コストダウンを実現させるための効果的な経営再編が利益成長を後押しするとみている。また、自律成長以外に、東南アジアなど新市場の開拓に向けたM&Aの可能性を指摘している。
BOCIは17-18年の予想純利益を増額修正し、目標株価を引き上げた。新たな目標株価のベースとなる予想PERは従来通りの19倍。一方、レーティング見直しにつながる可能性のある同社の潜在リスク要因としては、ティッシュペーパー業界の競合他社による急速な設備増強、パルプや石油化学製品の価格高騰、新製品投入ペースの減速、おむつ販売の予想外の不振、人民元安の進行――などを挙げている。
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