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現職のテメル大統領の任期満了に伴う『ブラジル大統領選挙』の決選投票が10月28日に行われました。開票の結果、その過激な発言から「ブラジルのトランプ氏」とも呼ばれる、極右で社会自由党のジャイル・ボルソナロ氏が過半数の支持を得て当選しました。ボルソナロ氏の勝利は事前の世論調査の予想通りで、金融市場はボルソナロ氏の勝利を見越して、決選投票を前に上昇していました。
【ポイント1】ボルソナロ氏が勝利
ボルソナロ氏勝利は世論調査通り
『ブラジル大統領選挙』の決選投票が10月28日に実施され、即日開票されました。同選挙は、極右のボルソナロ氏と左派で労働党のアダジ氏の間で争われ、貧困層へのばらまきを止め治安改善などを訴えたボルソナロ氏が、得票率で10ポイント程度の差をつけて勝利しました。ボルソナロ氏の勝利は事前の世論調査通りでした。
「ブラジルのトランプ氏」といわれるボルソナロ氏は元軍人の63歳で、汚職疑惑がないことや、貧困層へのばらまき停止、治安改善などを訴えたことが、中間層や富裕層中心に現状に不満を持つ有権者の支持を集めたとみられます。一方、ボルソナロ氏は黒人、女性などへの差別発言を繰り返しており、貧困層を中心に反発の声も広がっています。
【ポイント2】経済政策は市場重視型
パウロ・ゲジス氏を財務相に指名
ボルソナロ氏の大統領就任は2019年1月1日で、任期は4年です。
経済政策では、テメル現政権の経済改革路線を基本的に継承し、市場を重視する姿勢を示しています。ボルソナロ氏は、財政赤字削減や国営企業の民営化などの構造改革を主張する経済学者のパウロ・ゲジス氏を財務相として指名しています。
【今後の展開】議会での連立交渉が注目される
『ブラジル大統領選挙』の決選投票を前にした26日の金融市場では、ブラジルの通貨レアルと主要株価指数のボベスパ指数が共に続伸し、4週連続の上昇となりました。10月初旬以降世界の株式市場が下落するなかでも、ボルソナロ氏の勝利への期待が上回り、堅調な展開が続いています。
ボルソナロ氏の掲げる国営企業の民営化推進、財政の健全化などの経済政策は市場参加者の支持を得ており、同氏の勝利は金融市場の追い風となりそうです。ただし、ボルソナロ氏の社会自由党は少数与党であり、憲法改正が必要な年金制度改革には、議会で多数派を形成する必要があります。差別発言を繰り返すボルソナロ氏に対する国民の批判も多いなか、議会での連立交渉が注目されます。
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