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今年9月、日本経済団体連合会(経団連)が大学生の就職活動(就活)の開始時期や採用選考に関する指針の取り決めに異を唱えたことをきっかけに、『就活ルール』への関心が高まっています。新卒学生の採用選考時期を含めた『就活ルール』は、1950年代から議論の対象となり、度々ルールの変更が行われてきました。近年では経団連がルールを策定してきましたが、今後どうなるのでしょうか?
【ポイント1】大学新卒者の就職・採用活動のルールは形骸化
現行ルールでは、大学4年生の6月から面接などの選考が解禁
古今を問わず優秀な人材の確保は企業にとって重要な課題です。就職・採用活動の開始時期については以前から議論が行われ、『就活ルール』が作られてきましたが、その都度、「青田買い」と呼ばれる抜け駆けが絶えませんでした。この状況は今でも変わらず、年々採用活動が早期化する傾向にありました。これに伴い、就活が早まると学業が疎かになるのではないかと危惧されています。
現在の『就活ルール』では、採用広報・就活の解禁日が大学3年生の3月1日から、面接などの採用選考の解禁日は4年生の6月1日となっていますが、それを守らないケースも多数あるようです。
【ポイント2】経団連は『就活ルール』を策定しないと決定
採用活動の早期化を懸念して、政府は『就活ルール』を維持する方針
今月に入り、経団連は2021年度以降に入社する学生を対象とする採用選考に関する指針を策定しないと表明しました。一方、その後政府は就職・採用活動の新ルールを検討する関係省庁連絡会議の初会合を開き、2021年卒には現行の『就活ルール』を維持する方針で一致しました。
政府の決定には、やはり『就活ルール』が無くなれば採用活動が早期化することへの恐れがあると見られます。2022年卒以降については来年度に改めて議論される見通しで、経団連は政府の議論に参加する考えも示しています。
【今後の展開】ダイバーシティ&インクルージョンを反映し就職・採用活動も多様化へ
人手不足の深刻化もあり、企業の新卒学生に対する採用意欲は旺盛です。しかし、少子化により学生数が減少しているため、採用計画を達成できないなど、企業にとっては厳しい状況となっています。一方で、インターン制度の広がりや、外国人の採用拡大などもみられています。持続的成長のため、人材面のダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受容)の重要性が注目されており、今後、日本の『就活ルール』にも一層の変化が出てくるとみられます。
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