18年7-9月期に13%増益を予想、規制強化で年末に向け利息収入縮小へ

現地コード 銘柄名
00700

 騰訊控股

(テンセント・ホールディングス)

株価 情報種類
 281.40HKD
(10/18現在)
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 11月14日に発表予定のテンセントの18年7-9月期決算について、BOCIは売上高が前年同期比21%増の791億元、純利益(非GAAP)が同13%増の193億元に達するとみている。政策要因や事業別売上比率の変化が、純利益率を圧迫するとの見方。18年の利益見通しを据え置く一方、19年、20年に関してはそれぞれ1%の下方修正に踏み切りつつ、株価の先行きに対する強気見通しは継続している。

 7-9月のモバイルゲーム収入については、BOCIは前期比3%増、前年同期比1%減を見込み、前期比での増収要因として以下の3点を指摘している。◇季節的なプラス要因、◇旗艦ゲームタイトル『王者栄耀(Honor of Kings)』のマネタイズ(収益事業化)の進展、◇『我叫MT4(My name is MT4)』をはじめとする新たなMMORPG(多人数同時参加型オンラインRPG)タイトルの好調。

 ソーシャルネットワーク事業のコア売上高に関しては前期比9%増、前年同期比35%増を予想。『Legend of Fuyao(扶揺)』、『Ruyi's Royal Love in the Palace(如懿伝)』を含むドラマシリーズの好調を背景に、コンテンツ配信ビジネスの収入を楽観視している。

 一方、その他部門では第三者決済サービスに関する政策規定の変更が痛手となり、利息収入が落ち込むことが確実となっている。第三者決済においては顧客(買い手)から預かった前払金を売り手に支払うまでにはタイムラグがあり、従来はこの分の滞留資金に発生する利息収入が第三者決済事業者の大きな収入源となっていた。ただ、中国人民銀行(中央銀行)は先ごろ規制強化策を発表。滞留資金の同行への預け入れを義務付けるとし、その割合を段階的に増やした上で、19年1月14日には100%とする方針を通達した(19年1月以降は利息収入がゼロになる)。BOCIはこれに伴い、この分の利息収入が18年1-3月の25億元、4-6月の20億元から、7-9月には14億元、10-12月には7億元に下向くとの見方だ。利益率ほぼ100%の利息収入が減ることで、同社全体の営業利益(非GAAP)は、7-9月期、10-12月期にそれぞれ0.8ポイント、1.6ポイント低下するとみている。

 BOCIはゲーム、SNS以外のその他部門の苦戦を見込む半面、コアSNS収入の伸びがマイナス要因を一部カバーするとの見方。18年の予想売上高を据えおき、19年、20年に関しては各1%減額修正した。また、18-20年の予想純利益(非GAAP)に関しても、売上高と同率の修正を実施した。

 BOCIが設定した目標株価はPEGレシオ1.2倍の水準(PEGレシオはPERを1株当たり利益成長率で割った値)。20年の予想 EPS伸び率を29%、19年の予想EPSを9.60元と想定した。BOCIはまた、レーティング見直しにつながる可能性があるリスク要因として、オンラインゲームに関する政策的不透明感を指摘している。