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2019年4月~5月に実施が見込まれている下院の『総選挙』を前に、インドでは地方選挙での与野党の得票状況が現在の政党への信認度合を表しているとして注目されています。2014年の『総選挙』で圧勝し、多くの経済改革を手掛けてきたモディ政権が再び来春の『総選挙』で勝利を収めることが出来るのか、今年行われた地方選挙や、最近の政策などを振り返り、予習してみましょう。
【ポイント1】モディ首相は1期目で多くの経済改革を実施
一時的な景気減速は見られたものの、今後も高い成長が続く見込み
インドでは、モディ首相の2期目をかけた下院の『総選挙』の実施が、2019年4月~5月に見込まれています。モディ首相率いるインド人民党(BJP)は2014年の選挙で大勝して10年ぶりに政権交代を果たし、モディ首相は就任以来「メーク・イン・インディア」というスローガンの下、経済改革を進めてきました。
代表的な改革として、2016年の高額紙幣廃止や、2017年の物品サービス税(GST)の導入などが挙げられます。これらの改革実施時には経済成長率が一時的に落ち込んだものの、その後インド経済は着実に回復しています。先日発表された国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しによると、インドの経済成長率は2017年が+6.7%、2018年が+7.3%、2019年が+7.4%と、世界の中でも高い成長が続く見込みです。
【ポイント2】地方選挙では与党優位の勢いに変化
2月には与党が勝利したものの、5月には連立交渉に失敗
モディ首相は、こうした改革の実行と経済成長の実現により、高い支持率を維持しています。一方、地方州の議会選挙では与党優位の勢いに変化も見られます。
例えば、今年2月のインド北東部3州で実施された選挙では、過去数十年にわたり野党の牙城と見られてきたなかで、BJPが勝利を収めました。しかし、5月にカルナタカ州で実施された選挙では、BJPが最多議席数を確保したにもかかわらず、連立交渉に失敗し、野党連合に敗北しました。
【今後の展開】来春の『総選挙』を占う、年内の主要州での地方選挙に注目
来年の『総選挙』を見据え、モディ首相は、今年度の雨季作に対する最低調達価格を大幅に引き上げたり、農業資材の購入への補助金を決定しました。しかしその後、燃料や肥料の価格が高騰する一方で農産物価格が値下がり、インド首都郊外では農民によりデモなども起こっています。一部では、地方選挙での敗北などと合わせてモディ政権の失速への懸念も聞かれますが、モディ首相は前回『総選挙』以上の議席獲得への意欲を見せています。年内にはマディヤ・プラディシュ州やラジャスターン州など、規模の大きい主要州で選挙が控えており、来春の『総選挙』の行方を占う選挙として注目されます。
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