1986(昭和61)年10月12日

サントリーホール開館、社会貢献の見本に

 1986(昭和61)年10月12日、東京都港区にサントリーホールが開館しました。本格的なクラシック音楽コンサートを楽しめる音楽施設として、世界的にも有名です。

 当時、欧米を中心に企業が社会貢献の一環として、芸術や文化活動を支援する活動が流行し、「メセナ」と呼ばれていました。文化の擁護を意味するフランス語が語源です。

 日本で初めてヴィンヤード形式(ブドウ畑のように客席が段状に連なるため、音響的に客席間の差が出にくい設計)を採用したコンサート専用ホールです。

 日本ではサントリーがいち早く芸術・文化活動の支援に取り組み、1961年にサントリー美術館を開館。1986年にはサントリーホールをオープンさせ、他の企業の見本とされました。
その後、日本はバブル経済に突入し、空前の好況に沸いた企業は利益の一部をコンサート支援や美術品の展示に充てましたが、長続きしない例も少なくありませんでした。

 現在、ESGEnvironment:環境、Social:社会、Governance:企業統治)をキーワードに、社会貢献を銘柄選択の観点に加える機関投資家が世界的に増えています。サントリーホールは時代の30年先を歩んでいたことになります。

 

1986年10月12日の日経平均株価終値は

17,650円23銭

※1986年10月12日は日曜日のため前営業日の株価