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インドの株式市場は、主要株式指数のSENSEXが8月28日に過去最高値を更新するなど、上昇基調で推移してきましたが、9月に大幅に下落し、月間では▲6%を超える下げとなりました。インドルピー安の加速に伴う資金流出懸念に加え、インドの大手ノンバンクがデフォルト(債務不履行)を起こしたことなどから、『信用不安』が高まり、金融セクター中心に大きく売られました。インドの『信用不安』は今後も続くのでしょうか。
【ポイント1】ルピー安加速を嫌気
経常赤字拡大や収益圧迫を懸念
8月のトルコショック以降、新興国通貨全般に下落圧力がかかるなか、経常収支が赤字のインドの通貨ルピーには売りが膨らみ、対米ドルでの下落が続いています。9月13日のトルコの予想を大幅に上回る利上げで多くの新興国通貨は反発しましたが、ルピーには目立った買い戻しがみられず、その後最安値を更新しました。インド株式市場は、高値警戒感が出ていたところに、ルピー安の加速に伴う資金流出懸念や、原油高による経常赤字拡大や企業収益の圧迫懸念などから、9月に入り調整しました。
【ポイント2】ノンバンクのデフォルトで『信用不安』
金融セクターが大幅安
更に、9月後半には『信用不安』も嫌気されました。インドの大手ノンバンクのIL&FSは、8月下旬以降、社債などの利払いと元本償還の支払いが出来ず、デフォルトを起こしました。同社は、負債総額が126億ドル(約1.4兆円)と大きく、その約6割が他の金融機関からの借り入れであるため、インドの金融市場への負の連鎖が警戒され、銀行やノンバンク、住宅金融などの金融セクター株が大きく売られました。『信用不安』の高まりで投資家心理が悪化し、株式市場全体の下落幅が拡大しました。
【今後の展開】インド政府は『信用不安』拡大回避へ対策実施
これに対し、インド政府は10月1日、多額の負債を抱えるIL&FSの経営陣を交代させると発表しました。同社が破綻する事態になれば、『信用不安』が広がる恐れがあるため、景気や市場に悪影響を及ぼさないように対策を急ぎました。今後は政府主導で資産売却や資本注入なども行われる可能性があります。政府が本腰を入れ始めたことで、『信用不安』は徐々に収束に向かうと期待されます。
株式市場は調整局面を迎えていますが、インド経済が高成長を続けていることに変わりはなく、企業収益の拡大期待を背景に、中長期的には堅調さを取り戻すと思われます。
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