「ネズミ混入事件」もファンダメンタルズに変化なし、利益見通し据え置き

現地コード 銘柄名
00520

呷哺呷哺餐飲管理中国控股

(シャブシャブ・ケータリング)

株価 情報種類
 11.92HKD
(9/28現在)
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 呷哺呷哺餐飲の株価は「ネズミ混入事件」を受けて17%下落し、ほぼ1年ぶり安値をつけたが、その後は回復傾向に転じている。同社株急落を招いたのは、来客が9月6日、同社の火鍋料理からネズミの死骸が出てきたとのクレームを公にしたこと。山東省維坊市にある当該店舗は調査中との理由で、今も休業している。一方、会社側はSNSの自社アカウント上で、「当該店舗のいかなる場所においても、ネズミの活動が見られないことを確認した」とする調査結果を公表した。BOCIは今回の事件について、食の安全を最優先するよう外食店に対して警鐘を鳴らす意味があったとしながらも、同社のファンダメンタルズを傷つける事態にはならないとの見方。目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 中国の火鍋料理店チェーンの中では、9月26日に香港メインボードに上場したばかりの海底撈国際(06862)が最大手であり、今も急成長を遂げている。呷哺呷哺餐飲にとって、海底撈国際は真っ向からぶつかる競合。海底撈国際のIPO(新規株式公開)の公開価格は17.80HKドルと、17年実績PERで69.5倍の水準だったが、呷哺呷哺餐飲の現在株価の同PERは27.3倍の水準にある。また、海底撈国際の時価総額は897億HKドルと、米国のドミノピザ(DPZ)やチポトレ・メキシカン・グリル(CMG)にほぼ匹敵する水準。呷哺呷哺餐飲の時価総額の約7倍に当たる。

 中国国家統計局が先ごろ発表した最新指標を見ると、8月の外食店売り上げは前年同月比4.7%増、前月比5.2%増の3,516億元だった。BOCIは18年いっぱい消費の減速傾向が続くとみて、18年通年の外食店売り上げを前年比4.5~5.0%増と予想。11-17年の2ケタ(10%超)成長を明らかに下回る見通しを示した。市場全体の減速は、呷哺呷哺餐飲の売上成長ペースにも影響するとみている。

 BOCIは同社のファンダメンタルズに変化はないとして、利益見通しと目標株価を据え置いた。目標株価の算出基準とした「19年予想PER22.0倍」に関しても、17-20年の利益成長見通し(年率平均23%)を理由に、適正水準であるとの見方。この先、バリュエーションの点で海底撈国際を下回る可能性を指摘しながらも、短期的なマイナス影響を否定し、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、◇食の安全問題、◇中国経済および消費のスローダウン、◇火鍋市場における競争激化を挙げている。