日経平均が年初来高値。10万円株をどう選ぶ?

 9月半ばすぎから急動意となり、9月末に日経平均が2万4000円台を回復、ほどなく年初来高値を更新した一連の動きを「意外高」と感じている方も多いと思います。そう捉える投資家が多いということは「そこまでの期待がなかった」、「想定外の動きになった」ということですが…現実的にそうなった以上、ここからはその前の時間帯において考えていたこととは異なる考え方をしていかなければならないことになります。

 個人投資家それぞれには相場を方向づけるほどの影響力はありません。その時の相場に影響力をもっている投資家が形成する「流れ」に乗っていくことを主眼とするのが賢明だと考えます(もちろん外国人投資家が中心です)。仮に自らの考えと異なる方向に相場が動いたとしても「これは相場がおかしい」と訝しがるのではなく「それなら付いて行こう」と考え、行動することが結果につながるものと思われます。

 すでに2月期決算企業、主に消費関連企業の第二四半期(6-8月期)決算発表がスタートしています。まずはこの様子を細かに見ていくべきでしょう。ここで好決算を背景とした「意外高銘柄」が多く出てくるのであれば、その先に待っている3月期決算企業の第二四半期(7-9月期)決算に一層の期待感が高まってくるはずです。10月23日の「日本電産」を皮切りに10月下旬から3月期決算企業の四半期決算が本格化します。

 足元、ドル円相場が落ち着いた動きをしていることから、この側面からの「輸出型企業」の決算に対する不安感は低減されており、むしろ上方修正への期待があります。それに顕著な反応を見せるのも外国人投資家ではないでしょうか。

 資金の流入が見られるときには、出来高や売買代金が増えるのはもちろんですが、上げる時も下げる時も変動が大きくなることが多いです。価格変動は利益追求の機会を増やすことになり、さらに資金を呼び込むことになります。「買われているセクターに属する銘柄が片っ端からさらに買われる」、「日々、多くの銘柄が年初来高値を更新する」、「出遅れ銘柄が減る(=どんどん出直る)」、「連続安が少なくなる(=押し目がなくなる)」などの現象がみられることになるでしょう。

「10万円株」にはまだ出遅れている銘柄がたくさんあります。相場をけん引しているのは、どちらかというと「値がさ株」だからです。しかし、新たな資金の流入により、様子に変化が表れる可能性もあります。その時には、ほぼ「年末高」が見えてくることになります。

 参考となりそうな「10万円株」を取り上げておきます。

 

まだまだあるぞ!年末高期待の10万円株

 株価データは2018年10月1日終値ベース。

 

富士石油(5017・東証1部)

 原油開発のアラビア石油と石油精製の富士石油が前身。現在は石油精製に特化し、ガソリンなどの燃料油は昭和シェル、JXTG向け、重油等は東京電力に供給しています。原油価格上昇メリットはないものの、製油所の高稼働が追い風に。また足元は、他石油関連株の上昇に連れ高となっている印象があります。

・富士石油の日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)

小野測器(6858・東証1部)

 回転・速度計などデジタル計測機器の最大手企業です。自動車性能計測器など自動車業界向けが売上高の約7割を占めており、電気自動車(EV)やハイブリッド(HV)車の開発向け装置の拡充や高機能化に力を入れています。

・小野測器の日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)

メディアスホールディングス(3154・東証1部) 

 中部・関東地盤の医療機器卸大手企業です。医療機関を中心に使い捨て医療用
具からMRIなど高度先端医療機器まで20万点超を扱っています。病院の一括物流管理請け負うSPD(院内物流管理システム)を獲得することにより医療材料・消耗品は着実に増加しています。

・メディアスホールディングスの日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)

さくらインターネット(3778・東証1部) 

 データセンター運営の大手企業で、ベンチャー企業や小口顧客の比率が高い特徴があります。9月の北海道地震に伴う停電により石狩市に置くデータセンターの一部サービスに障害が発生、株価は9月6日に急落する場面がありました。ただ、いち早く自社発電に切り替えサービスは復旧、株価も出直りの動きです。

・さくらインターネットの日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)

リソー教育(4714・東証1部) 

 首都圏地盤に個別指導受験塾「TOMAS」を運営、幼児教育の「伸芽会」は子会社、このほか家庭教師派遣の「名門会」も手掛けています。主力の個別指導塾、家庭教師派遣ともに首都圏中心の新規開校により生徒数が拡大、「伸芽会」でも乳幼児向け教育が伸びるなど好調が継続しています。

・リソー教育の日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)