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日本政府観光局(JNTO)が発表した2018年8月の「訪日外客数」は、前年同月比+4.1%の257万8千人となり、年初来累計では2,130万9千人と過去最速で年間2,000万人超を達成しました。足元では自然災害の影響が懸念されるものの、訪日外国人は今後も増加が見込まれています。こうした中、免税手続きの電子化が発表され、手続きが便利になることから、『インバウンド消費』は引き続き増加すると期待されます。
【ポイント1】訪日外国人の消費内訳の3分の1以上が「買い物代」
“爆買い”は落ち着きを見せるも、『インバウンド消費』は依然旺盛
7月に観光庁が発表した「訪日外国人消費動向調査」の2018年4-6月期調査結果によると、訪日外国人全体の旅行消費額は前年同期比+4.2%の1兆1,233億円と推計されます。内訳をみると、「買い物代」が34.7%と最も多くなっています。
一方、旅行消費額を1人当たりで見ると2015年7-9月期がピークとなっています。一頃の中国人旅行者による“爆買い”が落ち着きを見せているためですが、それでも中国人旅行者の旅行支出の半分以上は「買い物代」となっており、『インバウンド消費』(訪日外国人による消費)は依然旺盛と言えそうです。
【ポイント2】東京五輪に向けて免税手続きが電子化
スムーズな手続きと不正を防ぐことに期待
こうした中、財務省と国税庁は訪日外国人の免税販売手続きの電子化を発表しました。東京五輪に向けて2020年4月に運用を始める見込みです。
現行の免税手続きは、パスポート情報や購入商品、店舗名などの情報を盛り込んだ書面の作成に時間がかかるなどの問題がありました。手続きの電子化により、スムーズな免税手続きが可能になったり、地方も含めて免税店が増加すると期待され、『インバウンド消費』の増加を後押しすると考えられます。また免税に関する不正を減らせると見られます。
【今後の展開】『インバウンド消費』の活性化が日本経済の成長をサポート
足元では、度重なる台風や地震の影響で訪日外国人の伸びは鈍化しており、当面は影響の広がりが懸念されます。しかし、政府の継続的な訪日旅行プロモーションなどの効果により、将来的には政府目標(2030年に6,000万人)に向けて訪日外国人数は増加すると考えられます。訪日外国人の増加に加え、免税手続きの電子化で『インバウンド消費』が一層活性化されることにより、日本経済の成長のサポートになることが期待されます。
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