18年6月中間期は5%増益、18~19年の利益見通しを下方修正

現地コード 銘柄名
03618

重慶農村商業銀行

(チョンチン・ルーラル・コマーシャル・バンク)

株価 情報種類
 4.20HKD
(8/31現在)
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 重慶農村商業銀行の18年6月中間決算は、純利益が前年同期比5.3%増の48億4,000万元と、BOCIの予想から5.6%下振れた。減損損失が予想を超えたことや、業務規模の拡大ペースが予想を下回ったことなどが背景。BOCIは利益見通しを下方修正し、これに伴い目標株価を引き下げた。ただ、現在株価の低バリュエーションや預貸率の低さ、堅実な経営スタンスなどを理由に、株価の先行きに対して強気見通しを据え置いている。

 18年4~6月期を見ると、純金利マージン(NIM)は2.60%と、前期を0.02ポイント下回った(期初・期末の平均資産残高および負債残高をベースとした数字。同行は18年年初に会計方針を一部変更。評価額の変動を損益計上していた分の金融資産を「金利派生資産」枠から除外した)。資産、負債、貸出、預金は4~6月にそれぞれ前期比1.1%増、1.2%増、3.3%増、3.5%増。主に貸し出しと預金の伸びが資産、負債の増加に寄与し、インターバンク負債や債券投資額は前期から縮小した。

 不良債権比率は6月時点で1.23%と、前期(3月末)比で0.05ポイント上昇した。延滞債権比率は1.63%と、17年末比で0.15ポイント上昇。要注意先債権比率は2.49%へ同0.01ポイント小幅に低下した。不良債権に対する3カ月以上の延滞債権の比率は、6月末時点で前年末を24.2ポイント上回る80.6%。信用コストは1.71%と、前年同期比で0.91ポイント上昇した。6月末の不良債権引当率は339.4%と、4月末を5.1ポイント上回る水準。新たに発生した不良債権は主に製造業向けだった。

 役務取引等利益(純手数料収入)は18年上期に前年同期比3.5%減。主に資産運用手数料の同11.3%の落ち込みが響いた。運用資産残高は6月末に1,195億9,900万元で、17年末比で17.08%減。銀行カード手数料も前年同期比8.7%の減少となった。

 BOCIは信用コストの増大を反映させる形で、18年、19年の予想純利益をいずれも3.8%減額修正した。現在株価が18年予想PBR(株価純資産倍率)で0.51倍と、同行および同業銘柄のヒストリカル平均値(14年以降)に相当する点を指摘。同行の手堅いファンダメンタルズや相対的に高いROEを前向きに評価した。利益見通しの減額修正やシステミックリスクの高まりを理由に、18年予想PBR0.6倍(これまでは同0.9倍)をあてはめて目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、重慶市経済の失速の可能性を挙げている。