18年6月中間期は24%増益、粗利益率の改善が鮮明に

現地コード 銘柄名
00390

中国中鉄股フン有限公司

(チャイナ・レールウェイ)

株価 情報種類
 6.55HKD
(8/31現在)
 株価
 企業情報
 チャート

 中国中鉄の18年6月中間決算は、前年同期比5.9%の増収、同23.9%の増益となった。純利益の力強い伸びは、高利幅事業の成長を受けた全体の粗利益率改善によるもの。BOCIは利益見通しを増額修正した上で目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して極めて強気の見方を示している。

 中国の2大ゼネコンである中国中鉄と中国鉄建(01186)の決算内容は時として、ほぼ同様の傾向を見せる。中国中鉄の18年6月中間決算では、粗利益率が0.6ポイント改善し、その結果、純利益がBOCIの予想から6.8%上振れた。粗利益率の上昇を支えたのは、インフラ建設部門の利幅改善と全体の事業構成の優良化。インフラ建設部門(前年同期比6.0%増収)の粗利益率が0.6ポイント上向いただけでなく、急成長を遂げた設計、不動産開発両部門の利幅も改善した。

 コスト面では、販売費及び一般管理費(SG&A)が横ばいに推移する半面、金利の上昇を受け、財務費用が前年同期比94%増加した。上期の実効税率は26.0%と、前年同期の30.4%を明らかに下回る水準。ただ、続く下期には、実効税率が上向く可能性が高いという。

 18年上期の新規受注は前年同期比13%増の6,347億元と、経営陣の事前見通しやBOCIの予想の範囲内だった。部門別では、インフラ建設(同9.1%増)と不動産開発(53.7%増)の受注増が全体の伸びを支えた。中間期末の受注残高は2兆7,695億8,000万元と、前年同期を7.7%上回った。

 マーケットではインフラ建設セクターが投資テーマの一つとなっているが、BOCIは個別では、中国中鉄をトップピック銘柄に据えている。売り上げ計上ペースの遅れを理由に、18年通年の予想売上高を減額修正しながらも、上期に予想以上の水準に達した粗利益率に関しては逆に予想値を引き上げ、同時に利益見通しを増額修正した。18年の新たな予想売上高は前年同期比7.1%増の7,375億4,000万元(修正前は10.5%増の7,610億9,400万元)で、予想粗利益率は9.4%(9.1%)、予想純利益は同19.3%増の191億6,600万元(同15.0%増の184億7,700万元)。続く19年、20年に関しては、前年比の予想増収率、増益率を現行水準に据え置いた。また、これまでと同様、18年予想PER10.0倍をあてはめた上で、人民元相場に関する想定値を見直し、目標株価を小幅に引き上げ、株価の先行きに対して極めて強気の見通しを付与した。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、全体相場の調整リスクを挙げている。