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自動車業界などを中心に『自動運転車』で自動化レベルの早期引上げを目指し、激しい開発競争が続いています。8月にトヨタグループ4社は自動運転新会社を設立しました。また完成車企業、半導体企業などで垣根を越えた提携の動きが相次ぎました。同月にタクシー大手の公道での実験も始まりました。今後も『自動運転車』で開発から運営面などにおいて、こうした新しい動きから目が離せません。
【ポイント1】タクシーで初めての有料公道実験開始
運転手不足やライドシェアへ対応
タクシー大手の日の丸交通は8月27日、東京都心で自動運転タクシーの運行実験を始めました。公道での有料営業は世界初となります。実験車は9月8日までの約2週間、決まった経路を1日4往復します。使用するミニバンには自動運転システムやセンサーを搭載して車線変更や右左折などを自動で行います。運転席と助手席に係員が乗り、緊急時や交通状況によっては人が対応します。背景には運転手不足や将来のライドシェア解禁に備えるという目的もあるとみられます。
【ポイント2】『自動運転車』に対応するため部品企業が提携
完成車企業もライドシェア大手に出資
トヨタ自動車のグループ4社は8月27日、自動運転の普及に向けた統合EUC(電子制御ユニット)ソフトウエア開発を担う新会社を設立すると発表しました。2019年3月の設立を目指します。新会社を設立するのは電装品に強いデンソーと変速機などの駆動部品を手掛けるアイシン精機、ステアリングのジェイテクト、アドヴィックスのトヨタ系の4社です。各社の持つ技術を集約し『自動運転車』に必要なコア技術を提案できる体制を目指します。
トヨタ自動車は8月28日、米ライドシェア大手のウーバーテクノロジーズに5億ドルを出資すると発表しました。両社の技術を融合させて安全性能を高めた『自動運転車』を開発し、2021年にウーバーのライドシェアネットワークに導入する予定です。
【今後の展開】『自動運転車』は業界の垣根を越えた提携が加速する方向
半導体大手のルネサスエレクトロニクスは8月31日、米同業のインテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDT)買収を検討しているとの声明を発表しました。同社の半導体は、視覚や触覚など人の五感の役割を担い、『自動運転車』に搭載すれば、車の目や耳として強みを発揮する可能性を秘めています。今後も『自動運転車』での主導権確保を目指し、こうした垣根を越えた提携が加速するとみられます。
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