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企業の会計ルールには日本基準、米国基準、国際会計基準『IFRS』がありますが、『IFRS』に変更する企業が増えています。東京証券取引所によれば、予定を含め適用企業数は6月末時点で204社となり、200社を上回りました。東京証券取引所の上場企業数の約6%ですが、大手企業の採用が多いため株式の時価総額で約33%を占めます。増加の要因として、M&A(合併・買収)後の会計処理などの利点があげられます。
【ポイント1】『IFRS』は前年より33社増の204社
M&Aに積極的な企業などを中心に採用
東京証券取引所によると6月末時点で日本基準を採用する企業は3,379社、米国会計基準はトヨタ自動車など11社でした。『IFRS』は変更予定を含め204社、前年より33社増加して、200社を上回りました。
2018年度に新たに『IFRS』を採用する企業には、NTTドコモ、三菱重工業、住友金属鉱山などがあります。『IFRS』を適用済みの企業には、日本電産、ソフトバンクグループ、アサヒグループホールディングスといったM&Aに積極的な企業や、約7兆円の大型買収をする武田薬品工業などがあります。
【ポイント2】『IFRS』採用はグローバル企業などにメリット
『IFRS』と日本基準の主な違いは企業買収時の経理処理など
グローバル企業には、海外で資金調達する際に『IFRS』の方が投資家に自社の業績を説明しやすく、海外子会社が所在する地域で国際会計基準が使われている場合、親会社の日本企業も同基準の方が決算作業や管理が容易となるなどのメリットがあります。
『IFRS』と日本基準の主な違いには企業を買収した際に発生する「のれん」の処理方法があります。日本基準では毎年一定額を償却して費用計上するのに対し、『IFRS』では定期償却はせず、価値が大きく目減りした際にのみ、費用と認識します。このため、『IFRS』の方がM&Aを実施した際、利益の減少を抑制できる場合があります。
一方で『IFRS』では2019年からリースの機械も資産とみなされるため、リースのメリットが薄れ、採用企業の設備投資の減少やリース関連業界へ影響を与えるとの懸念もあります。
【今後の展開】『IFRS』の採用は今後も増加の方向
『IFRS』は世界的に採用が進んでいることや、東京株式市場で存在感の高い外国人投資家にとって採用企業の方が国際比較がしやすく、評価が高まりやすくなる面があることなどから、今後も国際展開を図る企業やM&Aに積極的な企業を中心に『IFRS』の採用は増加していくとみられます。
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