政府補助金の年内5割回収にめど、負債比率や財務費用が低減へ
現地コード | 銘柄名 |
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00916 |
龍源電力集団 (チャイナ・ロンユエン・パワー) |
株価 | 情報種類 |
6.73HKD (8/23現在) |
株価 企業情報 チャート |
龍源電力集団は18年6月中間決算発表後の説明会で、これまで支払いが滞っていた再生エネルギー補助金を下期に一部回収できるとの明るい見通しを示した。政府当局からの正式な通知はまだないものの、経営陣は補助金の未収残高のうち、「半分以上」(約60億元)を年内に受け取れるとの見方。BOCIはこれが負債比率や財務費用の低減に寄与するとみている。一方、経営陣は18年通期の設備稼働時間について、2,160時間との見通しを維持しながらも、実際にはこの数字から上振れる可能性を示唆した。BOCIは目標株価を小幅に引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
18年6月末時点で、バランスシート上の補助金未収残高は81億元。ほかにファクタリング(売掛債権買取会社)経由のオフバランスの未収残が49億元に上り、総額で130億元。このうち91%に当たる118億元は、対象リスト入りしたプロジェクト向け補助金であり、経営陣によれば、財務部は向こう2カ月以内に支払いを開始する見通しという。BOCIはこれにより資金繰りが改善し、18年末には純負債比率が156%に低下するとみている。
風力発電部門の設備稼働時間数は18年6月中間期に1,181時間と、前年同期を151時間上回った。複数の超高圧(UHV)送電網の稼働を受け、電力廃棄状況が明らかに改善したことや、風速の上昇、技術レベルの向上が背景。経営陣は18年通期に関して2,160時間との予測を示しているが、BOCIはこれを上回る2,201時間を見込む。また、18年下期に関しては、設備稼働率の上昇を受け、風力発電部門のEBIT(利払い・税引き前利益)マージンが4.5ポイント改善するとみている。
このほか、中間期の借り入れコストは平均4.35%。経営陣は通期で約4.4%を見込む。海外プロジェクトに関しては現地通貨建てで資金を調達しており、為替変動リスクは軽微。補助金未収分のファクタリング・コストは年率換算で4.46%と、ほぼ海外での借り入れコストに相当するという。一方、風力発電の上期の設備投資は1kW当たり平均7,751元で、うち発電機(WTG)コストが同4,200元。WTG価格は急速に下落しており、同社としてはプラス。「グリッドパリティ」(再生可能エネルギーの発電コストが既存の電力コストと同等かそれより安価になること)の実現を後押しする見通しという。
BOCIは系列・合弁会社損益などの要因を考慮した上で、18年、19年、20年の予想純利益をそれぞれ8%、4%、1%減額修正。これに伴い、目標株価を小幅に引き下げた。新たな目標株価は19年予想PBR(株価純資産倍率)で1.0倍、予想PERで8.4倍に当たる。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、◇補助金の受け取りがさらに遅れる可能性、◇親会社による資産注入に際して価格設定が割高となる可能性を挙げている。
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