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中国では、新しい情報技術(IT)やビジネスモデルを活用した企業が急速に成長し、eコマース(電子商取引)やライドシェアサービスなどの「ニューエコノミー」が飛躍的に発展しています。こうした“今”の中国経済の魅力を支える源泉には、ITを積極的に活用できる、中国の豊富な『理系人材』の存在があります。
【ポイント1】中国政府は教育予算を拡大
大学進学率は45.7%と著しい伸び
中国政府は⽇本やシンガポールなどの経験から経済発展における教育の重要性を認識しており、教育に対する公的⽀出を増加させています。財政政策による教育⽀出(中央政府と地⽅政府の合計)のGDP⽐を⾒ると、2010年の3.7%から、2016年には4.2%と拡大しています。
中国教育部の発表によると、中国の2017年の大学進学率は45.7%に達し、2012年の30.0%から5年間で+15.7%ポイントの上昇と、著しい伸びを示しました。この間、各種大学機関の学生の総数は3,325万人から3,779万人へ増加しました。
【ポイント2】重視される『理系⼈材』の育成
理系の大学卒業者数は世界一
中国政府の教育⽀援の特徴は、理系科⽬の重視による⾼度な⼈材育成にあります。中国では⼤学受験において、どの学部でも数学が必須科⽬になっているなど、数学的知識・論理的思考を⾝に付けた『理系⼈材』の育成につながりやすい環境が整備されています。
「World Economic Forum」による国際⽐較では、中国の理系の⼤学卒業者数は世界⼀となっています。2016年の年間卒業者数は、中国では467万⼈と2位のインドの258万⼈、3位の⽶国の57万⼈を⼤きく引き離しています。
【今後の展開】豊富な『理系人材』を基盤に中国経済の高度化が進む
中国政府の財政政策による教育⽀出拡大の後押しもあり、中国では高学歴の人材が急速に増加しています。特に、重視される『理系⼈材』を数多く輩出していることは、IT産業などの⾼付加価値産業を発展させるうえで、重要な基盤であり、強みとなります。
中国政府は、「質の⾼い経済発展」として、付加価値の低い産業から高い産業へ産業構造を転換することを国家戦略に掲げています。中国政府が国を挙げて進める産業政策の下で、豊富な『理系人材』を基盤に、中国経済における産業の高度化が一段と進みそうです。
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