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 中国は「改革開放」を始めてから今年で40年目を迎えました。この間、中国経済は大きく変化しています。近年は特に、活発な『起業』活動と政府の成長戦略による後押しで、今では世界に比肩する企業がどんどん成長してきています。『起業』が盛んで将来有望な企業が生まれていることは、“今”の中国経済の魅力の1つです。

 

【ポイント1】BATをはじめ、民営企業が多く成長している

今年は「改革開放」が始まってから40年目に当たる節目の年

 今年は、中国が1978年に「改革開放」を始めて40年目に当たる節目の年です。「改革開放」では、社会主義市場経済という経済体制の下、経済改革が進められています。

 かつて中国では国有企業が大半を占めていましたが、経済の自由化が進み、現在の中国では民営企業が多く成長しています。例えば、インターネット検索大手の百度(バイドゥ)、eコマース大手のアリババ、SNS大手のテンセントは、いわゆるスタートアップ企業の代表格です。いずれも1998年~2000年に創業した企業で、各社の頭文字をとってBATと呼ばれ、米国のFANG(フェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグル)と比較されています。

 

【ポイント2】『起業』が盛ん、2017年は600万社超

「ユニコーン企業」数は米国に次いで世界の約3割を占める

 現在の中国では、『起業』が盛んです。例えば、2013年~2017年の5年間で2,160万社が『起業』しました。このうち2017年は前年比+9.9%の607万社が『起業』しました。日本では近年は毎年10万社程度の登記があることと比較しても、その『起業』の多さが分かります。

 スタートアップ企業の中でも、株式を上場した場合の見込み評価額10億ドル以上の会社は「ユニコーン企業」と呼ばれます。現在「ユニコーン企業」は世界に260社程度あり、このうち約半数が米国企業、次いで約3割が中国企業となっています。

 

【今後の展開】将来有望な企業の成長が今後の中国経済をけん引することに期待

 このように、中国では『起業』数が多いだけではなく、将来有望な企業が続々と育ってきています。また、中国政府は、これまでの重厚長大型で多額の資本設備が必要な製造業を中心とする「オールドエコノミー」から、サービス業を中心とする「ニューエコノミー」へと、産業構造の転換を図っています。この政府の成長戦略と民間の積極的な『起業』精神が、今後も中国経済をけん引する企業の成長に繋がっていくことが期待されます。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。