中国初の世界同時株安で始まった2016年の金融市場。6月下旬にもBREXIT(ブレグジット)で市場は大きく上下に変動しました。今後の金融市場を占うトピックは米国の追加利上げ観測、中国経済や原油価格の動向、日本・欧州のマイナス金利政策の行方など事欠きません。こうした市場環境下、世界の金融市場は方向感を失い、不安定な状況が続いています。

主要インデックス投信は国内債券を除き軟調な展開に

国内および世界の代表的な市場に連動する主要なインデックス投信も2016年の実績は国内債券を除き、軟調な展開となっています。不安定な市場環境下でも慌てずに運用を続けるために、分散投資の重要性が増してきています。

グラフ1:主要インデックス投信の基準価格の推移(2015年12月末~2016年8月末)

※各インデックス投信の日次のリターンをもとに、2015年12月末を10,000として指数化。

 

今年から投信を始めた投資家へのメッセージ

今年から投信を始めた運用初心者のなかには、なかなか結果が出ない状況に早くも不安を抱えている方がいるかもしれません。しかし、慌てる必要はありません。投資信託の値動きは、短期的には上下しながらも、長期的には右肩上がりの成長を期待するものです。目先の動きに一喜一憂せず、できるだけ長い期間、市場に資金を投じ続けることが大切です。特に、積立投資を始めた方は、今こそ仕込みどきと考え、いずれ来る反発局面を心待ちに地道に積立投資を続けるようにしましょう。

投信による資産形成は長期投資が王道です。投資を長く続けるためには、運用期間中に市場が大きく変動したときでも平常心でいられることが重要です。そのためには自分が平常心でいられる「値動きの大きさ」がどれくらいなのかを知る必要があります。運用を始めて間もない運用初心者は、ここ数カ月間の値動きのなかで、自分が平常心でいられる値動きの大きさをあらためて感じることができたのではないでしょうか。

もしも、自分が当初想定していた値動きとは違い、その値動きを少しでも和らげたいと思うならば、今までの運用資産の値動きを補完する役割が期待できる商品に分散することを考えても良いと思います。そこで、今回は不安定な市場環境に備えるための3つの投資アイデアを紹介しましょう。

不安定な市場環境に備えるための投資アイデア

アイデア①:市場環境に左右されない絶対収益追求型ファンド

インデックス投信は市場の代表的な指数に連動することを目標としますが、それは市場の変動をそのまま受けるということです。市場環境が良いときには上昇し、悪いときには下落する、言い換えれば市場変動の影響を受けやすい投信といえます。

一方、投資信託のなかには市場の影響を受けにくい絶対収益追求型ファンドと呼ばれる投信があります。「ネット証券専用ファンドシリーズAR国内バリュー株式ファンド」(詳しいインタビューレポートはこちら)はその代表的なファンドで、安定的なリターンとともに株式や債券、またはそれらで構成されたバランス型投信とは異なる値動きが期待できます。

すでに何らかの投信を保有している方の場合は、このような絶対収益型ファンドを組み合わせることで、運用資産全体の値動きをより安定的にさせる分散効果が期待できます。

グラフ2:バランス型投信と絶対収益追求型投信の基準価格の推移
(2015年12月末~2016年8月末)と分散投資シュミレーション

※各投信の日次のリターンをもとに、2015年12月末を10,000として指数化。
※緑のチャートは、「世界経済インデックスファンド」と「AR国内バリュー株式ファンド」を7:3で組み合わせたシミュレーション結果

アイデア②:市場の急変動で収益が期待できるバランス型ファンド

2016年1月の世界同時株安、6月のBREXITの局面では、株式やREITなど値動きの大きい資産のほか、為替リスクのある外貨建ての債券についても円高が進んだことで一時的に大きなマイナスとなりました。これは株式と債券に分散投資をしていても、外貨建て資産の比率が高いと分散効果が落ちてしまう典型的な事例といえるでしょう。突発的なイベントリスクが発生したときに、株安と円高の両方の影響を受けないよう資産配分や外貨建て資産の投資配分に配慮することが大切です。

一方、突発的な事象が起こり、市場が大きく変動したときに、収益機会が得られる投信もあります。「GCIエンダウメントファンド(安定型成長型)」は、株式や債券などの伝統的な資産を7割、株式や債券とは異なる値動きをするオルタナティブ戦略に3割の配分で投資するバランス型ファンドです。最大の特徴はオルタナティブ戦略の部分にあります。同戦略は、市場が大きく変動したときに大きな収益機会が期待できるロングストラドルという手法を採用しており、BREXITで市場が大きく変動した6月下旬から7月上旬にかけて、比較的大きなリターンを獲得しています(グラフ3を参照)。

また、同ファンドシリーズは、株式や債券に分散投資しますが、外貨建て資産については為替ヘッジを行うこともあり、為替リスクが抑制されていることも特徴の一つです。

なお、「GCIエンダウメントファンド(安定型/成長型)」は、資産配分のリスク水準の目安をそれぞれ設定しており、安定型が年率5%程度、成長型が年率8%程度となっています。

グラフ3:各バランス型投信の基準価格の推移(2015年12月末~2016年8月末)

※各投信の日次のリターンをもとに、2015年12月末を10,000として指数化。

アイデア③市場変動の影響を均等配分するファンド

「GCIエンダウメントファンド(安定型/成長型)」の特徴が、市場が変動したときに収益が期待できることにある一方で、市場変動の影響を均等にさせることを目指すファンドもあります。

投資のソムリエ」は、国内外の債券、株式、REITなどに分散投資しながら、それぞれの資産に含まれる複数のリスク要因から受ける影響が均等になるように資産配分、通貨配分比率を機動的に変動させるファンドです。リスク要因から受ける影響を均等にさせることで、市場が大きく動いたときでも安定的な値動きになることが期待できます。グラフ3の黄色のチャートを見ると、不安定な環境下において、他のファンドよりも価格の上下の振れ幅が小さいことが見て取れます。なお、「投資のソムリエ」も資産配分のリスク水準の目安を設定しており、年率4%程度となっています。

「GCIエンダウメントファンド(安定型/成長型)」と「投資のソムリエ」は、市場が大きく変動したときのリターンの出方に大きな違いありますが、いずれも安定的な値動きが期待できる資産配分に加えて、資産配分のリスク水準の目安を持っている点で投資家にとって値動きの大きさのイメージがつかみやすく、まとまった資金を安定的に運用したいという方に向いているファンドといえるでしょう。市場が大きく変動したときに自分が何を感じたかを振り返り、自分が許容できるリスクをあらためて知ることで、今後の投信選びに生かしていただければ幸いです。