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 気象庁の発表では、7月は東日本では1946年の統計開始以来第1位、西日本では第2位の高温となりました。また高温に加え、「平成30年7月豪雨」や台風12号などの豪雨災害にも見舞われました。こうした異常気象は世界各国でも報告されています。「冷たいものが食べたい」「海に行きたい」「外出したくない…」など皆さんの思いは様々かと思います。さて、今夏の『猛暑』は景気にどのような影響があると考えられるのでしょうか?

 

【ポイント1】7月は世界的にも記録的な『猛暑』だった

日本では『猛暑』に加えて豪雨災害も発生、世界各地からも異常気象の報告

 7月23日、埼玉県熊谷市では国内観測史上で最高気温となる41.1℃を記録するなど、今夏は全国的に記録的な『猛暑』となっています。また、西日本を中心に全国的に記録的な大雨となり、「平成30年7月豪雨」が発生しました。7月下旬に発生した強い勢力の台風12号は、東海地方から九州地方に抜けるという異例の進路を辿るなど、7月の日本は高温とともに豪雨災害にも見舞われました。

 こうした異常気象は世界的に発生しています。例えば、米カルフォルニア州デスバレーでは52℃超となったほか、北極圏でも最高気温が30℃を超える地点が出て、各地で森林火災なども報じられています。また水不足が深刻化しているアフリカなどでは、家畜が死んだり農作物が枯れたりして、難民や内戦・紛争の原因となっています。

 

【ポイント2】夏らしい暑さは景気にプラスだが…

暑“過ぎる”とマイナスの影響も

 一般に、季節に合った天候は消費を促すと考えられます。夏であれば、夏物衣料・小物や飲料、アイスなどの売れ行きが良くなります。今夏は、氷菓の需要に供給が追い付かず、販売休止となるケースも出ています。

 海やプールなど夏のレジャーも盛り上がる季節ですが、暑“過ぎる”と外出や行列を控えるなど、消費にはマイナスの影響もあります。また、エアコンなど電化製品は売上が好調な一方で、製品に負担がかかり過ぎて故障するケースなども報告されています。

 また、農林水産省の食品動向調査によると、キャベツ、レタス、きゅうり、トマトはいずれも平年を上回る価格となっています。なかでも、夏らしい料理に多く登場するきゅうりは平年比で5割近く高くなっています。

 

【今後の展開】『猛暑』はまだまだ続く、まずは健康面に留意を!

 気象庁発表の3カ月予報によると、8月中は全国的に平年を上回る高温となりそうですが、9月以降は徐々に暑さは和らぎそうです。環境省が熱中症予防を目的に発表している暑さ指数では、「危険」となる地域も多くなっています。まずは、なにより健康面に留意してこの『猛暑』を乗り切り、まだまだ続く夏を楽しみたいところです。