経営トップ交代や買収に絡むリスクが後退、販売好調と低負債比率で高評価
現地 |
銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00688 |
中国海外発展 (チャイナ・オーバーシーズ・ランド・ アンド・インベストメント) |
25.80 HKD (07/26現在) |
中国海外発展についてはこの1年、中国中信(CITIC:00267)から買収した住宅開発プロジェクトに関するリスクや経営トップの交代に対する懸念がくすぶっていたが、BOCIはここに来て、CITICプロジェクトの改良にマーケットの目が向き始めていると指摘。同社に対する信頼度が回復しつつあるとしている。同プロジェクトに関しては粗利益率の改善が見込めるだけでなく、同社売り上げ全体に占める比率が10%から20%に上昇するとの見方。これに伴い、同社の2018年、19年の予想成約額を9%、19%増額修正し、2760億HKドル、3310億HKドルに設定した。また、両年の予想EPSを4.7%、5%の幅で増額修正。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。 17年上期の不動産成約額は前年同期比34%増の1270億HKドル。
17年通期目標(2100億HKドル)の60%を達成した。同社は17年に分譲開始を予定している物件(総額3500億HKドル)のうち、55%を下期に投入する計画。BOCIは17年通年の成約額が2300億元に達し、同社目標を大きく上回るとみている。
16年4月以来、同社は買収したCITICプロジェクトの質や価格、コストなどの改善を進めてきた。BOCIはこうした経営陣の努力が17年6月中間期に実を結ぶとの見方。16年に28.8%だった同社全体の粗利益率が、17年上期には約30%に上向くとみている。また、完工スケジュールに基づき、17年上期に前年同期比約10%の増収を予想。利益率の改善見通しを加味した上で、コア純利益の2桁増を見込んでいる。
同社は17年上期に、開発用地750万平方メートルを400億元で取得した。この取得面積は期中の成約面積とほぼ同じ。BOCIはこうした数字を基に、同期の純負債比率について30%をやや上回るレベルを見込み、引き続き低水準を維持するとしている。デベロッパー向け融資の引き締めという政策環境の下、負債比率の低さは強みになるという。
BOCIは物件販売見通しを引き上げた上で、1株当たり予想NAV(純資産価値)を41.11HKドルに上方修正し、目標株価を引き上げた。現在株価は17年予想PBRで1.1倍に当たり、予想NAV比では38%のディスカウント水準。業界リーダーとしての同社の地位や予想配当利回りの高さ(4.3%)、バランスシートの健全性、CITICプロジェクトの買収に絡むリスク軽減などから、BOCIは現在株価の低バリュエーションを指摘している。一方、レーティング見直しにつながる可能性のある潜在リスク要因としては、不動産締め付け政策による売り上げへの影響を挙げている。
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