18年上期の成約状況は堅調、財務の健全性と資金力が強み

現地コード 銘柄名
00688

中国海外発展

(チャイナ・オーバーシーズ・ランド・アンド・インベストメント)

株価 情報種類
 24.25HKD
(7/19現在)
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 中国海外発展の物件成約額は18年上期に1,510億HKドルに上り、通期目標(2,900億HKドル)の達成率は52%に上った。18年通期の分譲対象物件は総額5,500億HKドル規模であり、上期の成約分を除いても、残りは3,990億HKドル。BOCIはこうした点から、下期中に1,390億HKドルの成約を獲得することは容易とみて、通期の成約額が目標を上回る可能性が高いとした。上期の成約額は前年同期比18.5%増だったが、下期には少なくとも同33%増へ加速するとみている。物件引き渡しペース(収益計上は引き渡し後)を高く見積もり過ぎたとの理由で、18年の予想EPSを7.3%減額修正。目標株価を3.3%引き下げながらも、株価の先行きに対する強気見通しを継続した。主に資金調達力の高さや現在株価の低バリュエーションを強気見通しの理由としている。

 18年6月中間決算について、BOCIは前年同期実績の高さを理由に、一桁台の増収を見込む。17年には上期の売上高が通期の52.3%を占め、例年の45~50%を上回った経緯があった。一方、18年上期の粗利益率に関しては、ほぼ17年通期と同水準の約33.4%を見込み、17年上期の31%を上回るとの見方。コア純利益に関しては前年同期比約10%の伸びを予想している。

 政府当局による資金面の引き締めを受け、下期の土地市場では競争環境が和らぐ可能性が高く、これを見込んだ同社は上期に慎重なスタンスを取った。上期の取得用地は延床面積換算で790万平方メートル(権益換算で660万平方メートル)と、期中の成約面積850万平方メートルを下回る規模。BOCIによれば、地方当局による「値上げ制限」措置を受けた投資回収ペースの減速にもかかわらず、同社の純負債比率は約30%を維持したとみられ、バランスシートは引き続き同業銘柄より良好。土地市場の沈静化が見込まれる下期の土地取得において、優位に立つ見通しという。

 同社は6月、取締役や高級・中級管理職404人を対象に、1億732万株規模のストックオプションを実施した(株式総数の1%)。権利行使価格は25.85HKドル。BOCIは国有企業のインセンティブスキームの強化という点で、大きな進展を意味すると指摘している。

 BOCIは今回、18年の予想EPSの減額修正に伴い、1株当たり予想NAV(純資産価値)を3%引き下げ、43.40HKドルに設定した。現在株価は18年予想PBR(株価純資産倍率)で0.9倍と、対NAV比で45.5%のディスカウント水準。力強いバランスシートに加え、資金引き締め政策下で極めて需要となる同社の資金力を高く評価し、現在株価は非常に魅力的な水準にあるとした。レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、住宅相場の上昇ペースの加速を受け、主要都市が一段の締め付け強化に動く可能性を挙げている。